カテゴリー別アーカイブ: 判例

原判決を破棄、控訴棄却 貸室明け渡し請求事件―最高裁

貸室の明け渡しと賃料相当損害金の支払いを求めた事案で最高裁第一小法廷は、原判決を破棄し、上告人の控訴を棄却した。上告人と被上告人の間でいったん訴訟上の和解が成立したものの、上告人が和解の無効を主張。第1審は和解成立で終了した旨の終局判決をした。これを受け上告人のみが控訴、被上告人は控訴も附帯控訴もしなかった。 続きを読む

赤の斜線引いた遺言書は無効 原判決を破棄―最高裁

遺言書の文面全体の左上から右下にかけて赤色のボールペンで1本の斜線が引かれていた。斜線は遺言者が故意に引いた。この場合、遺言書が民法1024条前段所定の「故意に遺言書を破棄したとき」に該当し、遺言を撤回したものとみなされるかどうかが争われた事案で最高裁第二小法廷(千葉勝美裁判長)は、みなされないとした原判決を破棄、第1審判決を取り消すとともに、遺言が無効であることを確認した。裁判官全員一致の意見による逆転判決。 続きを読む

原審に続き上告を棄却―最高裁 納税告知事件で都の敗訴確定

地方税法11条の8の規定に基づく第二次納税義務の納付告知の可否が焦点となった事件で最高裁第二小法廷は、裁判官全員一致の意見で原審に続き上告を棄却。納付を告知した東京都の敗訴が確定した。 続きを読む

供託金は法定充当される 配当異議で上告棄却―最高裁

配当表記載の根抵当権者の配当額に相当する金銭が供託され、その後、根抵当権者に対し配当表記載の通りに配当された。その場合に当該供託金は、その支払い委託がされた時点における被担保債権に法定充当されるのかが争われた事案で最高裁第三小法廷は、法定充当されるとし、原審に続き上告を棄却した。 続きを読む

賞与又は賞与性の給与に該当 借入金債務の免除―最高裁

権利能力のない社団の理事長および専務理事の地位にあった者が当該社団からの借入金債務の免除を受けることにより得た利益が所得税法28条1項にいう賞与又は賞与の性質を有する給与に該当するかどうかが争われた事案で 最高裁第一小法廷(櫻井龍子裁判長)は、該当するとの判断を示した。 続きを読む

公序良俗に反するとはいえない 不当利得返還請求事案で最高裁

過払い金が発生している継続的な金銭消費貸借取引について、特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律に基づく特定調停手続きが取られ、当事者間で特定調停が成立。借り主の貸金業者に対する残債務の存在を認める旨の確認条項、および清算条項も盛り込まれた。これが公序良俗に反するかどうか、その効力等が争われた事案で最高裁第三小法廷は全員一致で、それに反するものとはいえないと判決した。 続きを読む

不当利得返還請求はできない 共用部分の賃貸―最高裁

一部の区分所有者が共用部分を第三者に賃貸して得た賃料につき生ずる不当利得返還請求権(以下当該請求権)を、他の区分所有者が行使することができるかどうかが争われた事案で最高裁第二小法廷(千葉勝美裁判長)は、原審に続き上告を棄却した。全員一致意見。 続きを読む

行為の一部は事実の仮装に該当 修正申告で裁決―国税不服審

原処分庁所属の調査担当職員の指摘を受けて行った法人税、消費税、地方消費税の修正申告について、原処分庁が仮装の事実があるとして重加算税の賦課決定処分を行ったのに対し、審査請求人が仮装の事実はないなどとしてその全部の取り消しを求めた事案で国税不服審判所は、役務の提供等の完了前に請求書の発行を受けるなど、通常と異なる処理を行った行為は事実を仮装したものと認められると認定した。26年10月28日裁決。 続きを読む

取引の事実や金額特定できる 賦課決定処分など取り消し

原処分庁が、鋼材等の販売業を営む同族会社が特定の取引先への売り上げを益金の額に算入していないなどとして法人税の更正処分等をしたのに対し、審査請求人が、当該売り上げに係る売上原価の額を損金の額に算入すべきだとして、原処分の一部取り消しを求めた事案で国税不服審判所は、請求人の主張を認め、賦課決定処分の棄却ないし一部取り消しを裁定した。 続きを読む

法人所有不動産の評価 棚卸資産へ振替認める-不服審

報道によると、土地再開発事業のため取得し当初は固定資産に計上していた土地をその後棚卸資産に振替え、低価法により評価した上で帳簿価額との差額を損金算入していた請求人(不動産の賃貸及び売買業)に対し、当該土地は固定資産に該当するとして原処分庁が法人税の更正処分を行った事案において、東京国税不服審判所はこの処分を全て取り消した。 続きを読む