カテゴリー別アーカイブ: 判例

警部補自殺への安全配慮義務 県に損害賠償責任あり

本件は、静岡県警察に勤務していた警部補A氏が自殺したことをめぐり、妻子である原告が静岡県に対して損害賠償を求めた事案。裁判は、県警察がA氏に対し安全配慮義務を怠ったか否か、特に上司の監督責任についての論点を含んでいる。 続きを読む

海外サーバ経由で同種サービス 属地主義緩和し特許権侵害に

被上告人が上告人に対し、特許権侵害を主張し、上告人の行為の差止め及び損害賠償を求めたもの。インターネットを通じて国外からファイルを送信し、国内外のサーバと端末を接続するシステムの構築が、日本の特許法第2条第3項第1号における「生産」に該当し、特許権を侵害するかが争われた。 続きを読む

複数構造の家屋課税台帳価格 市の評価方法に合理性認める

被上告人は、自身が所有する家屋の平成30年度の評価額について、広島市長により決定され家屋課税台帳に登録された本件家屋の価格を不服として、広島市固定資産評価審査委員会に申し立てた。同委員会はこの申し立てを棄却、被上告人は審査決定の取消しを求めて訴訟を提起した。 続きを読む

交通事故の救援義務の履行意思 臨機な措置の必要性求める

被告人は、2015年3月23日に長野県佐久市内の交差点で、自動車を運転中に15歳の被害者を轢き、その後すぐに車両を停止したが、救護措置を行わず、事故発生の日時や場所を警察に報告しなかった。 続きを読む

『県議会議員選挙の定数配分規定 公職選挙法や憲法に違反せず

本件は、千葉県議会議員の定数及び選挙区に関する条例に基づいて行われた選挙について、選挙人が条例の定数配分規定が公職選挙法及び憲法に違反するとして選挙無効を求めた訴訟。 続きを読む

戦没軍人情報提供への賠償請求 除斥期間経過にて棄却

本件は、靖国神社が第二次世界大戦で戦没した軍人及び軍属の氏名等の情報の提供を受け、それらの者を合祀しているなかで、大韓民国の国籍を有する上告人らが、被上告人に対し、了承も得ずに靖國神社に上告人らの各父親の情報を提供した行為は違法であるなどと主張して、国家賠償法1条1項に基づく慰謝料の支払等を求めた事案。 続きを読む

不正利益による財産の没収 憲法29条違反ならず

本件は、被告人が財産上不正な利益を得る目的で商標法違反の犯罪行為を行い、得た財産を他人名義の銀行口座に預け入れ、犯罪収益の取得を仮装した事案。この預金債権の没収が争点となった。まず、改正前の組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(以下「法」)13条1項6号が適用され、犯罪収益及び犯罪収益に由来する財産全体の没収が可能と判断されたが、被告人は、正当な経済活動により得た財産の没収が憲法29条に違反すると主張。 続きを読む

インスタ投稿の権利侵害情報 時間的に近接するログイン該当

被上告人は、インスタグラムの投稿により権利を侵害されたとして、本件アカウントへのログインのために行われた8回の通信に関する情報の開示を請求した。 続きを読む

米軍兵の強盗傷害の賠償補填 上告人の主張認めず

この判決は、アメリカ合衆国の軍隊構成員による強盗傷害事件の被害者Aの相続人が、日本政府に対して補償を求めた事案に関するもの。Aは米軍兵2名による強盗傷害事件の被害に遭い、その後がんで死亡。相続人は米兵らを被告として損害賠償請求訴訟を提起し、那覇地裁は損害賠償の支払いを命じる判決を確定。相続人は米国政府から日米地位協定18条6項に基づく慰謝料として約146万円を受け取り、差額として2496万円余のSACO見舞金(日本政府が必要に応じて差額を埋めるために支給する見舞金)の支給を求めた。 続きを読む