過払い金が発生している継続的な金銭消費貸借取引について、特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律に基づく特定調停手続きが取られ、当事者間で特定調停が成立。借り主の貸金業者に対する残債務の存在を認める旨の確認条項、および清算条項も盛り込まれた。これが公序良俗に反するかどうか、その効力等が争われた事案で最高裁第三小法廷は全員一致で、それに反するものとはいえないと判決した。
その上で、原判決と第1審判決を「(1)上告人は、被上告人に対し、401万0493万円及びうち265万3831円に対する平成24年6月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。(2)被上告人のその余の請求を棄却する。」に変更した。最高裁は特定調停について、(1)内容は被上告人の貸金業者に対する借受金等の債務に限られ、過払い金返還請求権等の債権は含まれない(2)確認条項は借受金等の残債務として特定の期間内の借り受け、これに対する返済を利息制限法所定の制限利率に引き直して計算した残元利金を超えない金額の支払い義務を確認する内容のもので、それ自体は同法に違反しない(3)清算条項に過払い金返還請求権等の債権を特に対象とする旨の文言はなく、債権が消滅等するとはいえない―とした。
■参考:最高裁判所|不当利得返還請求事件(最高裁判所第二小法廷・平成27年9月18日)|
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=85318