カテゴリー別アーカイブ: 判例

被相続人の持ち分はみなし贈与 原処分庁の主張に軍配―不服審

国税不服審判所は27年8月4日付で、被相続人が米国にジョイント・テナンシーの形態で所有していた不動産について、生存合有者(ジョイント・テナンツ)が取得した被相続人の持ち分はみなし贈与財産に該当し、相続税の課税価格に加算されると裁決、原処分庁の主張に軍配を上げた。その上で、相続税の更正処分と過少申告加算税の賦課決定処分を一部取り消すなど是正措置をとった。 続きを読む

花押は押印の要件を満たさない 原判決破棄、差し戻す―最高裁

いわゆる花押を書くことが民法968条1項の押印の要件を満たすか否かが争われている事案で最高裁第二小法廷は、 印章による押印と同視できず、押印の要件を満たさないとし、満たすとした原審の判断を覆した。その上で、原判決中、被上告人の請求に関する部分を破棄、この部分につき本件を福岡高裁に差し戻した。 続きを読む

原判決を破棄、地裁に差し戻す 債券償還等請求事件―最高裁

外国国家が発行した円建て債券に係る償還等請求訴訟につき、当該債券の管理会社が任意的訴訟担当の要件を満たすかどうかが争われた事案で最高裁第一小法廷は、管理会社は原告適格を有すると認定。原告適格を有せず、不適法として却下した原判決を破棄し、第1審判決を取り消すとともに、第1審の東京地裁に差し戻した。 続きを読む

贈与税決定処分、全部取り消し 請求人に軍配―国税不服審

取得資金の拠出者以外の名義で登録された財産について相続税法基本通達9―9に基づく贈与税を課すことができるかどうかが争点となった事案で、国税不服審判所は27年9月1日付で、贈与の事実はないとして贈与税決定処分の全部を取り消した。 続きを読む

請求権は破産財団に属す 死亡保険金―最高裁も上告棄却

破産手続き開始前に成立した第三者のためにする生命保険契約に基づき、破産者である死亡保険金受取人が有する死亡保険金請求権が破産者に属するのか、管財人の破産財団に属するのかが争われた事案で、最高裁第一小法廷は破産財団に属すると判決、原審に続き破産者側の上告を棄却した。これにより破産者側の敗訴が確定した。 続きを読む

取り戻しの請求は消滅時効内 営業保証金―最高裁が逆転判決

宅地建物取引業法30条1項前段所定の事由が発生した場合において、同条2項本文所定の公告がなされなかった時、営業保証金の取り戻し請求権の消滅時効がいつ発生するかが争点となった事案で、 最高裁第一小法廷は原判決を破棄し、第1審判決を取り消すとともに、(1)上告人が25年9月20日付で行った供託金の取り戻し請求に対し東京法務局供託官が同年10月1日付で行った却下決定を取り消す(2)同供託官は、上告人が行った供託金の取り戻し請求につき払い渡し認可決定をせよ―と命じた。1審、2審を否定した逆転判決。 続きを読む

海外関連法人からの新株引受 有利発行と認定-東京高裁

報道によると、大手商社・神鋼商事が増額更正処分の取消しを求めた控訴審で、東京高裁は一審を支持し、請求を棄却した。同社は平成19年にタイの関連法人が増資に伴い発行した新株を額面価額で引き受け、払込金額を本件株式の取得価額に計上して申告したが、原処分庁は本件株式が有利発行有価証券に該当し、払込価額との差額は受贈益として益金に算入すべきとした。 続きを読む

差し押さえは適法、控訴を棄却 原判決を破棄―最高裁

信託契約の受託者が所有する複数の不動産の固定資産税に係る滞納処分として行われた、これら不動産のうちの信託財産である土地とその上にある固有財産である家屋に係る賃料債権に対する差し押さえが適法か否かが争われた事案で、最高裁第三小法廷は違法とした原判決を破棄、適法として被上告人らの請求を棄却した第1審判決は結論において是認できるとして被上告人らの控訴を棄却した。 続きを読む

取り消し請求は不適法 株主総会の決議―最高裁も棄却

企業が自社の株主でもある取締役らを解任することになり、臨時株主総会に諮ったところ、その議案を否決する決議が成立した。解任される取締役らは会社を相手取り、会社法831条1項1号に基づき同決議の取り消しを請求した。この訴えが適法であるか否かが争われた事案で最高裁第二小法廷は、訴えは不適法であり、これを却下した原判決は正当として是認できるとし、上告を棄却した。 続きを読む

副社長就任は租税回避行為 上告人の敗訴が確定―最高

吸収合併した企業の未処理欠損金の扱いをめぐり適格合併か、組織再編成に係る行為または計算の否認に当たるか否かが争われた事案で最高裁第一小法廷は、否認に当たると判断、上告人が申し立てた法人税の更正処分などの賦課決定処分の取り消し請求を棄却、原審の判断を正当と是認した。これにより上告人の敗訴が確定した。 続きを読む