海外関連法人からの新株引受 有利発行と認定-東京高裁

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報道によると、大手商社・神鋼商事が増額更正処分の取消しを求めた控訴審で、東京高裁は一審を支持し、請求を棄却した。同社は平成19年にタイの関連法人が増資に伴い発行した新株を額面価額で引き受け、払込金額を本件株式の取得価額に計上して申告したが、原処分庁は本件株式が有利発行有価証券に該当し、払込価額との差額は受贈益として益金に算入すべきとした。

法人税法施行令は、有利発行で取得した新株の取得価額は時価をもって認識する旨定めているが「他の株主等に損害を及ぼすおそれがないと認められる場合」は除くとされる。法基通2-3-8はこれを、株式の内容及び数に応じて株式又は新株予約権が平等に与えられ、かつ内容の異なる株式を有する株主間でも衡平が保たれる場合としており、同社は本件がこれに該当すると主張。該当しなくても、株式すべてに対し株数に比例して新株が付与されたが、同社以外が行使しなかっただけで有利発行に対する課税対象から除かれるべき、とした。

高裁は、1)同社がかつて同社以外の株主は名義株に過ぎないと主張していた、2)実際には同社以外の株主に株式は付与されなかった、3)同社保有の株式が増資前の29%から増資後97%を占めるに至ったことから、処分は適法と判断した。