被相続人の持ち分はみなし贈与 原処分庁の主張に軍配―不服審

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国税不服審判所は27年8月4日付で、被相続人が米国にジョイント・テナンシーの形態で所有していた不動産について、生存合有者(ジョイント・テナンツ)が取得した被相続人の持ち分はみなし贈与財産に該当し、相続税の課税価格に加算されると裁決、原処分庁の主張に軍配を上げた。その上で、相続税の更正処分と過少申告加算税の賦課決定処分を一部取り消すなど是正措置をとった。

請求人らは、同持ち分は日本における共有財産ではないから相続税の課税価格に算入されるべきものではない旨主張。同不動産は、請求人の一人であるP2がジョイント・テナンツとなっている。

不服審は本件不動産について、▽被相続人の死亡でその権利は相続されることなく、生存者への権利の帰属(サバイバー・シップ)の原則に基づきP2の権利に吸収された▽その際、対価の授受があった事実は認められず、P2は相続税法第9条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合―その他の利益の享受》に規定する「対価を支払わないで利益を受けた場合」に該当する▽P2には相続税法第19条《3年以内贈与の相続税額》第1項が適用される▽本件不動産の2分の1に相当する金額についてはP2の相続税の課税価格に加算すべきものと認められる―と裁決した。

■参考:国税不服審判所|相続開始に係る相続税の過少申告加算税の各賦課決定処分・1全部取消し、2一部取消し、3棄却・平成27年8月4日裁決|

http://www.kfs.go.jp/service/MP/04/0505000000.html#a100