個人として免許を受けないで宅地建物取引業を営んだという訴因と、法人の代表者として法人の業務に関し免許を受けないで宅地建物取引業を営んだという訴因との間に公訴事実の同一性が争われた事例。 続きを読む
タグ別アーカイブ: 最高裁判所
分筆登記時の土地全部処分禁止 仮処分命令の申立ての是非
抗告人が、いずれも1筆である各土地について、その各一部分の所有権を時効により取得したと主張して、本件各土地の所有権の登記名義人である相手方らに対し、当該各一部分についての所有権移転登記請求権を被保全権利として本件各土地の全部について処分禁止の仮処分命令の申立て等をした事案。 続きを読む
民訴法263条後段を巡って 原審を破棄し申し立て却下に
相手方である大阪拘置所に収容されている死刑確定者は、抗告人の執筆した雑誌記事により名誉が毀損されたとして、不法行為に基づく損害賠償金の支払いを求める訴訟を大阪地方裁判所に提起した。相手方および抗告人は第1回口頭弁論期日および第2回口頭弁論期日に連続して出頭しなかった。相手方は本件口頭弁論期日の後、東京地方裁判所には出頭し得るとして、本件訴訟を同裁判所に移送することを求めた。 続きを読む
第1審を事実誤認とした原審に 最高裁は違法指摘・差し戻し
C労働組合D支部執行委員である被告人A及びBは、株式会社E取締役のFに高圧的態度で、同社が日雇運転手であるD支部組合員のGを雇用している旨の就労証明書を同社に作成・交付させようと考え、共謀の上、平成29年11月27日E社の事務所において、Fが高血圧緊急症によって体調不良を呈した後もなお執ように求めた。 続きを読む
臨時会招集同日に衆議院解散 憲法53条後段解釈を巡って
参議院の総議員の4分の1以上である72名の議員は、平成29年6月、憲法53条後段の規定により、内閣に対し、国会の臨時会の召集を決定することを要求した。内閣は、臨時会を同年9月28日に召集する決定をし、同日第194回国会が召集されたが、その冒頭で衆議院が解散され、参議院は同時に閉会となった。 続きを読む
申請を承認しない県の対応違法 辺野古移設を巡って-最高裁
沖縄防衛局は、普天間飛行場の代替施設を沖縄県名護市辺野古沿岸域に設置するための公有水面の埋立てに関し、変更の承認の申請をしたところ、上告人(沖縄県知事)は変更を承認しない旨の処分をした。被上告人(所管大臣)は、沖縄防衛局の審査請求を受けて、本件変更不承認を取り消す裁決をし、その後、変更の承認をするよう是正の指示をした。上告人が、本件指示が違法な国の関与に当たると主張して、本件指示の取消しを求めた事案。 続きを読む
定年後の再雇用時の給与設定 最高裁が審理差戻し
正社員の定年後は嘱託社員などで再雇用されるケースが多いが、その際の給与等をどうするかは難しい問題だ。これまでは定年時の基本給の60%が限度とする裁判例が一つの目安になっていた。 続きを読む
人事院の性同一性障害者の処遇 裁量権の逸脱・乱用と判断
上告人(一般職の国家公務員・経済産業省)は上司および担当職員に対し、自らの性同一性障害であり、女性の服装での勤務や女性トイレの使用等についての要望を伝えた。その後、上告人についての説明会が開かれ、本件執務階とその上下の階以外の階の女性トイレの使用を認める旨の処遇を実施することとされた。上告人は3年後、国家公務員法86条により、原則として女性職員と同等の処遇を行うこと等の行政措置を要求したところ、人事院は認められない旨の判定をした。 続きを読む
懲戒免職に伴う退職金不支給 司法は裁量権の違法性のみ判断
上告人の公立学校教員であった被上告人が、酒気帯び運転を理由とする懲戒免職処分を受けたことに伴い、職員の退職手当に関する条例12条1項1号の規定により、宮城県教育委員会から、退職手当等の全部不支給処分を受けたため、上告人を相手に、上記各処分の取消しを求める事案。 続きを読む
なりすまし詐欺の窃盗未遂 既遂危険性と実行着手あり
被告人は、氏名不詳者らと共謀の上、市役所職員及び金融機関職員になりすましてキャッシュカードを窃取しようと考え、令和3年3月5日、氏名不詳者らが被害者方に電話をかけ、被害者(当時76歳)に対し、過払金を還付する金融機関口座のキャッシュカードが古く、使えないようにする必要があるので回収しに行く旨のうそを言い、すり替え用の偽のカードが入った封筒を携帯し、同人方付近路上まで赴いたが、被害者が相手を不審に思い電話を切るなどたため、その目的を遂げなかった事案。 続きを読む