株券発行前にした株式譲渡 当事者間では交付なくても有効

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公開会社でない株券発行会社の被上告人(株)植宗は、(株)植宗エクステリア設立に際し、その株式200株(本件株式1)を引き受け、その後Aに対して譲渡した。被上告人Y1は(株)植宗アクステリアの募集株式310株を引き受け、Bに対して240株(本件株式2)を譲渡し、その後BはCに対して同株式を譲渡した。(株)植宗エクステリアは株券を発行していない。

Aは本件株式1について、債権者代位権に基づき植宗の植宗エクステリアに対する株券発行請求権を行使、同社より本件株券1の交付を受けた。Cも同様に請求権を行使、同社より本件株券2の交付を受けた。その後AとCは上告人に対し、本件各所有株を譲渡し本件株券を発行した。事案は、上告人が被上告人植宗および被上告人Y1に対し、本件株式1および2の株主であることの確認等を求めたもの。原審は、上告人は本件株式1および2を無権利者から譲り受けたにすぎず、これらを善意取得する余地もないとして、請求を棄却した。

最高裁は、株券発行前の譲渡について、会社法128条1項2項の規定に則れば、譲渡当事者間においては、当該株式に係る株券の交付がないことをもってその効力が否定されることはないと解するのが相当等として、原判決を破棄し差し戻した。

■参考:最高裁判所|株券発行前にした株券発行会社の株式の譲渡は、譲渡当事者間においては、株券の交付がないことをもってその効力が否定されることはない等(令和6年4月19日・第二小法廷)|

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=92912