医業法人社員の社員総会招集 一般法人法の類推適用せず

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医療法人の社員である抗告人らが、当該医療法人の理事長にして社員総会の招集を請求したが、その後招集の手続が行われないと主張して、裁判所に対し、社員総会を招集することの許可を求めた事案。最高裁判所は以下のように判決した。


一般法人法は、37条1項において、一定の割合以上の議決権を有する社員が理事に対して社員総会の招集を請求することができる旨規定し、同条2項で請求内容が実現されない場合は、裁判所の許可を得て、社員総会を招集できる旨規定する。

これに対し、医療法46条の3の2第4項は、医療法人の理事長は、一定の割合以上の社員から臨時社員総会の招集を請求された場合の招集義務を規定するが、理事長が当該請求に応じない場合について、一般法人法37条2項を準用しておらず、また、何ら規定を設けていない。医療法は数次の改正により整備されているが、上記はそのまま変更されていない。以上により医療法人について、一般法人法37条2項は類推適用されないと解するのが相当である。

よって医療法人の社員が同項の類推適用により裁判所の許可を得て社員総会を招集することはできないというべきであり、本件申立てを却下すべきものとした原審の判断は是認できるとして、本件抗告を棄却した。

■参考:最高裁判所|医療法人の社員が一般法人法37条2項の類推適用により裁判所の許可を得て社員総会を招集することはできない(令和6年3月27日・第三小法廷)|

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/881/092881_hanrei.pdf