刑務所へ戻るため通行人殺害 裁判員裁判の死刑判決破棄

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服役を終えたばかりの被告人が、人間関係やなじみのない土地及び未経験の仕事等への不安から、罪を犯して刑務所に戻りたいと考え、トラックを窃取して無免許運転し、殺意をもって対向歩行中の被害者A及びBに同車を衝突させ、両名を殺害した上、負傷者の救護も警察官への報告もしなかった、という事案。

最高裁は、動機は極めて身勝手かつ自己中心的であり、他人の生命を侵害する犯罪を選んだのは、厳しい非難が向けられるべきであり、殺意も明白である。遺族らの処罰感情が非常に厳しいのも当然である。死刑の当否を検討すべき事案でるが、死刑は究極の刑罰であり、その適用は慎重に行う必要がある。

被告の計画は漠然としており、確実な殺害や具体的な犯行を準備していたとは認められず、行き当たりばったりのものであった。本件は、被告人が、被害者らの殺害それ自体を目的としてこれを意欲し、人の生命を奪うための綿密な計画や周到な準備に基づき、殺害を確実に遂げるべく実行した犯行とはいえず、被告人の生命軽視の度合いが甚だしく顕著であったとまではいうことができない。第1審の裁判員裁判の、死刑を選択することが真にやむを得ないとまではいい難いとし、原審判決の無期懲役を支持した。

■参考:最高裁判所|被告人を死刑に処した裁判員裁判による第1審判決を量刑不当として破棄し無期懲役に処した原判決の量刑が維持された事例|

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=93010