カテゴリー別アーカイブ: 判例

賞与又は賞与性の給与に該当 借入金債務の免除―最高裁

権利能力のない社団の理事長および専務理事の地位にあった者が当該社団からの借入金債務の免除を受けることにより得た利益が所得税法28条1項にいう賞与又は賞与の性質を有する給与に該当するかどうかが争われた事案で 最高裁第一小法廷(櫻井龍子裁判長)は、該当するとの判断を示した。 続きを読む

公序良俗に反するとはいえない 不当利得返還請求事案で最高裁

過払い金が発生している継続的な金銭消費貸借取引について、特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律に基づく特定調停手続きが取られ、当事者間で特定調停が成立。借り主の貸金業者に対する残債務の存在を認める旨の確認条項、および清算条項も盛り込まれた。これが公序良俗に反するかどうか、その効力等が争われた事案で最高裁第三小法廷は全員一致で、それに反するものとはいえないと判決した。 続きを読む

不当利得返還請求はできない 共用部分の賃貸―最高裁

一部の区分所有者が共用部分を第三者に賃貸して得た賃料につき生ずる不当利得返還請求権(以下当該請求権)を、他の区分所有者が行使することができるかどうかが争われた事案で最高裁第二小法廷(千葉勝美裁判長)は、原審に続き上告を棄却した。全員一致意見。 続きを読む

行為の一部は事実の仮装に該当 修正申告で裁決―国税不服審

原処分庁所属の調査担当職員の指摘を受けて行った法人税、消費税、地方消費税の修正申告について、原処分庁が仮装の事実があるとして重加算税の賦課決定処分を行ったのに対し、審査請求人が仮装の事実はないなどとしてその全部の取り消しを求めた事案で国税不服審判所は、役務の提供等の完了前に請求書の発行を受けるなど、通常と異なる処理を行った行為は事実を仮装したものと認められると認定した。26年10月28日裁決。 続きを読む

取引の事実や金額特定できる 賦課決定処分など取り消し

原処分庁が、鋼材等の販売業を営む同族会社が特定の取引先への売り上げを益金の額に算入していないなどとして法人税の更正処分等をしたのに対し、審査請求人が、当該売り上げに係る売上原価の額を損金の額に算入すべきだとして、原処分の一部取り消しを求めた事案で国税不服審判所は、請求人の主張を認め、賦課決定処分の棄却ないし一部取り消しを裁定した。 続きを読む

法人所有不動産の評価 棚卸資産へ振替認める-不服審

報道によると、土地再開発事業のため取得し当初は固定資産に計上していた土地をその後棚卸資産に振替え、低価法により評価した上で帳簿価額との差額を損金算入していた請求人(不動産の賃貸及び売買業)に対し、当該土地は固定資産に該当するとして原処分庁が法人税の更正処分を行った事案において、東京国税不服審判所はこの処分を全て取り消した。 続きを読む

原判決を破棄、高裁に差し戻す 堺市側敗訴部分―最高裁

所有権者が不明確な土地について、大阪府堺市が納税義務者を特定できないとして固定資産税と都市計画税の賦課徴収を行わず、徴収権が時効で消滅したのは、賦課徴収の違法な懈怠に当たるとして、損害賠償を請求した住民訴訟事件で最高裁第二小法廷(鬼丸かおる裁判長)は、住民側の請求を一部認容した原審の判断には違法があるとして市側敗訴部分を破棄、大阪高裁に差し戻した。全員一致の意見。 続きを読む

請求人の主張を是認 全処分取り消し―国税不服審

学校法人である請求人が設置、運営する幼稚園の園長兼請求人の理事長に対し退職金として支払われた金員が真に退職金に該当するか否かが争われた事案で国税不服審判所は、退職金に該当すると裁決、原処分庁が給与所得に該当するとして行った24年5月分の源泉徴収に係る所得税の納税告知処分と不納付加算税の賦課決定処分を全部取り消した。26年12月1日の裁決。 続きを読む

原処分の一部を取り消す 請求人の主張認める―不服審

審査請求人が賃借する建物の賃貸借契約に係る取引は、法人税法上売買があったものとされるリース取引に該当し、当該リース取引に係る課税仕入れの用途区分は、非課税用ではなく共通用に該当するか否かが大きな争点となった事案で国税不服審判所は、該当するとして原処分の一部を取り消した。 26年12月10日の裁決。 続きを読む

損失を所得から控除できない 税務当局側が逆転勝訴―最高裁

米デラウェア州法に基づいて設立されたリミテッド・パートナーシップ(LPS)が行う投資事業に出資した者が所得の金額を計算するにあたり、当該事業で生じた損失の金額を所得の金額から控除できるか否かが争われた事案で最高裁第二小法廷(千葉勝美裁判長)は全員一致でできないとの判断を示した。 続きを読む