カテゴリー別アーカイブ: 人事労務

業務上の事由による災害に該当 労災と認定―最高裁が逆転判決

労働者が業務を一時中断して事業場外で行われた研修生の歓送迎会に途中参加した後、当該業務を再開するため自動車を運転して事業場に戻る際に、研修生をその住居まで送る途上で発生した交通事故により死亡したことが、労働者災害補償保険法1条、12条の8第2項の業務上の事由による災害に当たるかどうかが争われた事案で最高裁第二小法廷は当たると判断した。そして、当たらないとした原判決を破棄、上告人の請求を棄却した第1審判決を取り消すとともに、行橋労働基準監督署長が上告人に対して行った労災保険法に基づく遺族補償給付および葬祭料を支給しない旨の決定を取り消した。上告人側の全面勝訴だ。 続きを読む

学生アルバイト保護の動き 厚労省が要請

コンビニや飲食店などでの学生アルバイトをめぐるトラブルが多発している。今年1月に高校生がアルバイト先のコンビニにおいて、労働基準法違反があったとして労働組合に加入した上、改善を求める団体交渉を申し入れたことが ニュースになった。賃金の計算が15分単位のため無償労働が発生している、レジの現金が不足した場合にアルバイトが自腹で穴埋めさせられるなどと主張、コンビニのイメージダウンにつながった。 続きを読む

Weeklyコラム 艱難が人物を作る

「艱難(かんなん)汝を玉にす」ということわざがある。研修会等ではあまり使えず、「今日の講師はずいぶん古い人間だな」と思われて、耳を塞いでしまう怖れがある。 続きを読む

下請代金で955社に改善指導 27年度―中小企業庁取締まり

中小企業庁は27年度の下請代金支払遅延等防止法(下請代金法)の執行状況について調査した結果をまとめ公表した。それによると、親・下請け事業者合わせて約20万社に対し書面調査を行い、違反の恐れのある親事業者1,053社に立ち入り検査等を実施。このうち955社に対して改善指導を行った。 続きを読む

恒例の最低賃金引上げ論戦開始 議論の行方は?

夏の風物詩になりつつある最低賃金の引上げ議論。今年も厚生労働省の審議会で議論が始まっている。政府はすでに、毎年3%程度最低賃金を引き上げて、将来的には時給1,000円にする目標を掲げている。実際の過去10年間の引上げ率を見てみると、2008年、2015年に2.3%、2010年に2.4%の引上げが実現しているが、2006年には0.7%、2011年も1.0%の引上げにとどまっている。現在の最低賃金は全国平均で時給798円となっており、これを3%引き上げるとなると822円(24円引上げ)となる。 続きを読む

Weeklyコラム 機械化と人材の安定

世の中の現象には矛盾するものが多い。仕事の機械化と人材の安定もその一つだ。近年の経済成長は機械化によって発展してきたが(洗濯機・自動車等による生活の向上も同じ)、反面で手作業による仕事等の衰退や人材の不安定を招いてきた。 続きを読む

陰湿化する職場 増加する職場いじめ・嫌がらせ

職場でのいじめや嫌がらせが後を絶たない。厚生労働省が発表した「平成27年度における個別労働紛争解決制度の施行状況」によると、総合労働相談件数は8年連続で100万件を超え、そのうち「いじめ・嫌がらせ」は66,566件で4年連続トップとなっている。 続きを読む

Weeklyコラム シニアの活躍

超高齢化社会になって、シニア世代(一般に60歳以上)で就労している人が増加し、国策としての各種の推進策や保護策が注目されている。従来は勤め人等が定年になると、いわゆる隠居生活(年金生活)に入るイメージがあったが、現在では定年後も何年か仕事を続ける人が多数派になっている。この現象の理由は多種・複雑であるが、その例をいくつか挙げてみたい。 続きを読む

就活生は困っている? 就活ハラスメントの実態

日本労働組合総連合会(連合)は、内定・入社前後にどのようなトラブルがどの程度発生しているのかを調査した。大学卒業後に新卒で正社員として就職した全国の入社2~5年目の男女1,000名の有効サンプルを集計、その結果を公表した。 続きを読む

Weeklyコラム 勘の養い方

勘とは、「直感的にさとる、心のはたらき」だと言う(三省堂『国語辞典』)。勘の定義はともかく、一体勘はどのように養うものだろうか。筆者としては、勘は何かに有用な単純な動作や訓練によって習得出来る、と考える。 続きを読む