職場でのいじめや嫌がらせが後を絶たない。厚生労働省が発表した「平成27年度における個別労働紛争解決制度の施行状況」によると、総合労働相談件数は8年連続で100万件を超え、そのうち「いじめ・嫌がらせ」は66,566件で4年連続トップとなっている。
職場でのいじめや嫌がらせとして例示されることが多いのは、無視をする、他の従業員よりきつい口調で話す、通常より多い仕事を割り振る、無理なノルマを課す、まったく仕事をさせない、現状の仕事とはまったくかけ離れた電話応対や掃除のみに従事させるなどだ。
一方、単なるモラルの問題を超え、刑事事件にまで発展してもおかしくないケースも頻発している。「死ね」、「辞めろ」、「殺すぞ」、「クズ野郎」など、侮蔑的で脅迫的な暴言を浴びせる、刃の出たカッターを投げつける、机や椅子を蹴る、実際に殴る蹴るなどの暴力に及ぶなど、信じがたい事例もままある。また、女性職員にいれあげた挙句のストーカー事案にまで発展するケースもある。近年では労働者側もスマートフォンで録画や録音するなど自衛手段も増えており、いざとなると証拠が残りやすい。職場に警察が介入するような事態だけは、事業主として絶対に避けるべきだろう。