Weeklyコラム 勘の養い方

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勘とは、「直感的にさとる、心のはたらき」だと言う(三省堂『国語辞典』)。勘の定義はともかく、一体勘はどのように養うものだろうか。筆者としては、勘は何かに有用な単純な動作や訓練によって習得出来る、と考える。

筆者が子供の頃、川で「あんま釣り」という竿を前後に動かして雑魚(ざこ)を釣る方法があった。当然、たくさん釣る子もいれば、全然釣れない子もいた。ある時、良く釣れる子の動作を眺めていて偶然気づいたことがあった。竿の角度と前後させる幅が自分とは違うのである。それを真似ているうちに良く釣れるようになった。一般に、どんな仕事も反復によって徐々に上達する可能性が高い。しかし、反復する動作や訓練の方法を誤ると、有用な勘を養うどころか悪い癖を身に付けてしまう。

例えば次のような心掛けで取組むことが大事ではなかろうか。(1)反復して習得するような技術や工夫は、手本となる人物を見習って訓練する(2)初心者からやや進んだ者の傾向として、物事に慣れたら(又は飽きたら)勘は鈍くなる(3)勘とは、何かを達成する秘訣と言っても良い。真剣な学習や体験によって習得出来る可能性が高い(4)勘を働かせるとは、物事の目的と目標を明確にして、観察する目の付けどころを真剣に探す行為である。