カテゴリー別アーカイブ: 判例

割増賃金支払われたといえず 原判決を破棄―最高裁

医療法人(被上告人)に雇用されていた医師(上告人)が被上告人に対し、上告人の解雇は無効だとして、雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認等を求めるとともに、時間外労働と深夜労働に対する割増賃金とこれに係る付加金の支払い等を求める事案で最高裁第二小法廷は、割増賃金と付加金に関する請求をいずれも棄却すべきだとした原判決を破棄、この部分につき本件を東京高裁に差し戻した。 続きを読む

登録免許税の賦課あり 事前照会に回答―東京国税局

信託契約の終了に伴い受益者が受ける所有権の移転登記に係る登録免許税法第7条《信託財産の登記等の課税の特例》第2項の適用に関し、委託者兼受益者の死亡により想定される3ケースを挙げ、いずれも適用要件を満たすのでは、とただしたのに対し、東京国税局は見解通りで差し支えないと文書回答した。 続きを読む

時系列的な連続提出が適用要件 請求人の主張を棄却―審判所

審査請求人が平成26年分の所得税等について、租税特別措置法 (改正前)第37条の12の2《上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除》第6項の規定に基づき、25年分の譲渡損失等の金額を、26年分の株式等に係る譲渡所得等の金額と上場株式等に係る配当所得の金額から繰り越し控除して確定申告し、その後、第8項所定の要件を充足するため、25年分の所得税等の確定申告書に譲渡損失等の金額の計算に関する明細書等を添付していなかったのを追完する旨の25年分の所得税等の更正の請求をしたところ、原処分庁が更正をすべき理由がない旨の通知処分をした。 続きを読む

原決定を破棄し、抗告を棄却 日本国籍留保の届出―最高裁

日本国籍を有する男性を父とし、中国で出生し中国国籍を有するその子ら4人と、同じ状況を有するその子らの子6人が日本に移住後、子が移住先の市町村長に対して出生の届出と国籍留保の届出等したところ、市町村長が不受理とする処分をした。この処分の妥当性が争点となった事案で最高裁第二小法廷は、原決定を破棄し、原々審判に対する抗告を棄却した。 続きを読む

「住宅の貸付け」に該当する 請求人の主張を棄却―不服審

審査請求人が行った賃貸借取引が、消費税法(改正前)第6条《非課税》に規定する別表第一第13号に掲げる非課税取引である「住宅の貸付け」に該当するか否かが争点となった事案で、国税不服審判所は28年9月7日付で、該当し、同取引に係る全額が非課税取引となると裁決、原処分庁が行った更正処分等の全部取り消しを求めた請求人の主張を棄却した。 続きを読む

売買代金債権の差し押さえ可能 原審の判決を是認―最高裁

輸入業者である抗告人から依頼を受けてその輸入商品に関する信用状を発行した銀行である相手方が、抗告人につき再生手続き開始の決定がされたあと、 上記輸入商品に対する譲渡担保権に基づく物上代位権の行使として、抗告人が転売した上記輸入商品の売買代金債権の差し押さえを申し立てた事案で、 最高裁第二小法廷は抗告を棄却するとともに、原決定の当事者の表示と主文の一部を更正した。 続きを読む

原判決破棄、1審判決取り消す 年金決定で最高裁が逆転判決

厚生年金保険法(改正前)附則8条の規定による老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金)について、同法43条3項の規定による年金の額の改定(退職改定)がされるためには、同項所定の期間を経過した時点において当該年金の受給権者であることの要否が争点となった事案で最高裁第二小法廷は、不要として被上告人が主張する支給決定取り消し請求を認容すべきだとした原判決を破棄、第1審判決を取り消すとともに、被上告人の請求を棄却した。 続きを読む

課税対象の収入と認識しない 外貨建て借入金の為替差益

借り換えの時点で既存の外貨建て借入金の借入時の円換算額と新規の外貨建て借入金により取得した外貨による返済額の円換算額との差額である為替差益を所得として認識すべきか否かが争点となった事案で、国税不服審判所は28年8月8日付で、単に評価上のものにとどまる場合は、課税の対象となる収入として認識しないとし、原処分庁の所得税の更正処分および過少申告加算税の賦課決定処分を適法とした。 続きを読む

被相続人の係る部分の敷地のみ 小規模宅地等の特例―不服審

相続により取得した宅地を敷地とする建物の1階部分に弟が、2階部分に兄が居住。1階と2階はそれぞれが独立して居住の用に供することができる設備・構造を備え、区分登記されていた。被相続人の生前、兄は1階に居住する被相続人と弟の面倒をみていた。このような場合、宅地全体(宅地のうち1階部分の敷地に相当する宅地で、弟が相続した分以外の部分)に租税特別措置法(改正前)第69条の4《小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例》を適用できるか否かが争点となった事案で、 続きを読む

認定地域は「広大地」に該当 原処分庁の主張覆す―不服審

審査請求人らが相続により取得した自宅敷地等と5土地がそれぞれ、財産評価基本通達24-4《広大地の評価》にいう広大地に該当するか否かが争点となった事案で国税不服審判所は28年9月26日付で、各土地の地域に係る土地の利用状況や周辺地域の状況等の事情を総合勘案すると、審判所認定地域が広大地通達に定める「その地域」に当たると認めるのが相当だと裁決、工業地域とする原処分庁の主張を覆した。 続きを読む