カテゴリー別アーカイブ: 判例

特段の事情の存在うかがえない 特許権事件で上告棄却―最高裁

角化症治療薬の有効成分であるマキサカルシトールを含む化合物の製造方法で特許を取得した発明者と、その幾何異性体から製造した類似品を輸入・販売する業者らの間で争われていた特許権侵害行為差し止め請求事件で最高裁第二小法廷は、原審に続き、特許権侵害に当たらないと主張する輸入・販売業者側の上告を棄却した。 続きを読む

原判決を破棄、控訴棄却 貸金請求事件で最高裁

最高裁第二小法廷は保証契約に基づき保証債務の履行を求めた事案で、被上告人の請求を全部認容した原判決を破棄、被上告人の控訴を棄却した。上告人が被上告人と締結した保証契約に基づく保証債務履行請求権の時効消滅を主張したのに対し、被上告人は上告人に対する貸金の支払いを求める旨の支払い督促により消滅時効の中断の効力が生じていると主張、争っていた。 続きを読む

原判決を破棄、高裁に差し戻す 私道供用宅地の評価―最高裁

最高裁第三小法廷は、相続した土地の一部につき税務当局が行った相続税の処分を認容した原判決を破棄、本件を東京高裁に差し戻した。 続きを読む

納付告知処分を全部取り消す 課税等要件の充足否定―審判所

原処分庁が審査請求人に対して、滞納者名義の預金口座から請求人名義の預金口座への入金が国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する無償による譲渡に当たるとして納付告知処分をしたのに対し、請求人が同認定に誤りがあるとして原処分の全部の取り消しを求めた事案で国税不服審判所は28年5月10日付で、請求人の主張を認め、処分の全部を取り消した。 続きを読む

法人税法上の寄附金に該当 売掛債権の放棄―審判所が裁決

審査請求人が、外国子会社に対する売掛債権を放棄したとして債権相当額を貸倒損失として損金の額に算入したところ、原処分庁が債権の放棄は仮装されたものだから算入できないなどとして法人税の更正処分等を行ったのに対し、請求人が同認定に誤りがあるとして一部取り消しを求めた事案で国税不服審判所は、損失は法人税法上の寄附金に該当すると裁決、請求人の申し立てを認めた。 続きを読む

沖縄県側の上告を棄却 公有水面の埋め立て―最高裁

沖縄県の普天間飛行場の代替施設を名護市辺野古沿岸域に建設するための公有水面の埋め立てにつき、沖縄防衛局が仲井眞弘多前知事から埋め立ての承認を受けていたにもかかわらず、上告人が承認は違法として取り消した。 続きを読む

預貯金も遺産分割の対象となる 過去の判例を変更―最高裁

Aの共同相続人である抗告人と相手方との間におけるAの遺産の分割申し立て事件で最高裁大法廷は、預貯金は相続開始と同時に当然に相続人が相続分に応じて分割取得し、相続人全員の合意がない限り遺産分割の対象とならないなどとした上で、Aの有した不動産を抗告人が取得すべきとした原決定を破棄、大阪高裁に差し戻した。 続きを読む

戸数要件満たさず違法といえず 税還付で原判決を破棄―最高裁

土地の取得に対する不動産取得税を納付した被上告人が、当該土地上に建築された複数棟の建物につき、同税が減額されるべき住宅に該当するとして還付を求める申請をしたところ、東京都都税総合事務センター所長から還付しない旨の処分を受けたため、処分の取り消しを求める事案で最高裁第一小法廷は、処分は違法であり、被上告人の請求を認容すべきだとした原判決を破棄、被上告人の控訴を棄却した。 続きを読む

公正証書不実記録罪は成立せず 原判決を破棄―最高裁

暴力団員の身代わりの形で行った土地取引等について、売買契約を登記原因とする所有権移転登記等の申請をして当該登記等をさせた行為につき電磁的公正証書原本不実記録罪が成立するか否かが争われた事件で最高裁第一小法廷は、被告人に不実記録罪および同供用罪の成立を認めた原判決を破棄し、各控訴を棄却した。 続きを読む

民事執行法81条の趣旨に沿う 地上権で真逆の判決―最高裁

地上建物に対する仮差し押さえが本執行に移行して強制競売手続きがされた場合に、仮差し押さえの時点で土地および地上建物の所有者が同一であった時は、差し押さえの時点で土地が第三者に譲渡されていたとしても、法定地上権が成立するか否かが争点となった事案で最高裁第一小法廷は、建物につき法定地上権の成立を否定し、被上告人の土地明け渡し請求を認容、賃料相当損害金の支払い請求を一部認容すべきとした原判決を否定。上告人に対し土地明け渡しおよび金員の支払いを命じた部分を破棄するとともに、この部分につき福岡高裁に差し戻した。 続きを読む