カテゴリー別アーカイブ: 判例

過酷な執行であり許されない 間接強制は権利の乱用―最高裁

相手方が抗告人(夫)に対し、両名の長男の引き渡しを命ずる審判を債務名義として間接強制の申し立てをした事案で最高裁第三小法廷は、抗告人に対し長男を相手方に引き渡すよう命ずるとともに、履行しない時は1日につき1万円の割合による金員を相手方に支払うよう命ずる間接強制決定をすべきだとした原決定を破棄、原々決定を取り消した。 続きを読む

虚偽の確定申告書への押印 共謀なく重加算なし-審判所

確定申告書に虚偽があったとして下された所得税等の重加算税の賦課決定処分に対し、当該申告書等は第三者が独断で作成したものだとして、処分の取消しを求めた事案。 続きを読む

未払い賃金の支払いを命じる 債権放棄の実証ない―最高裁

被上告人(貨物自動車運送業等)に雇用されていた上告人(生コン車運転手)が被上告人に対し、労働協約により減額して支払うとされていた賃金につき、減額分の賃金(25年8月~26年11月支給分)と遅延損害金の支払い等を求める事案で最高裁第一小法廷は、被上告人は上告人に対し減額分として221万余円を支払うよう命じた。 続きを読む

更正処分の一部を取り消す 広大地の評価で国税審判所

共同相続人である審査請求人らが、相続により取得した土地は財産評価基本通達24―4《広大地の評価》に定める広大地に該当するなどとして相続税の更正の請求をしたところ、原処分庁が土地の一部は該当するとして請求の一部を認める更正処分を行った。 続きを読む

土地の現況等の考慮が不十分 原判決を破棄、差戻す―最高裁

三重県志摩市所在の2筆の土地に係る固定資産税の納税義務者である上告人が、各土地につき志摩市長により決定され土地課税台帳に登録された27年度の価格を不服として志摩市固定資産評価審査委員会に審査の申し出をしたところ、棄却する旨の決定を受けた。 続きを読む

相続時の収去費用は控除可能か 確実の認否を巡って-審判所

相続した建物の収去費用が債務として控除されなかったため行った相続税の更正の請求に対し、収去義務は相続開始後に確定したもので確実と認められる債務ではないとした処分が下され、請求人らはその取消しを求める審査請求をした。争点は、収去費用が債務として相続税法第14条第1項「確実と認められる」に該当するか否か、該当する場合は控除すべき額はいくらか。 続きを読む

最高裁、被上告人の控訴を棄却 印鑑届書、個人情報に該当せず】

被上告人が上告人(銀行)に対し、死亡した母が提出した印鑑届書の情報は個人情報の保護に関する法律2条7項に規定する保有個人データに該当すると主張、28条1項に基づき届書の写しの交付を求める事案で最高裁第一小法廷は被上告人の控訴を棄却した。 続きを読む

上告人敗訴部分を破棄 被上告人らの控訴棄却―最高裁

統合失調症で精神科の医師である上告人の診療を受けていた患者が中国の実家に帰省中に自殺したことについて、患者の相続人である被上告人らが、上告人には患者の自殺防止のために必要な措置を講ずべき義務を怠った過失があるなどと主張して、上告人に対し債務不履行または不法行為に基づき損害賠償を求める事案で最高裁第三小法廷は、原判決中、上告人敗訴部分を破棄するとともに、同部分につき被上告人らの控訴を棄却した。 続きを読む

相続財産の預け金返還請求権 帰属移転を認め処分取消しに

3人の共同相続人が、うち1人の名義の口座に入金された資金及び上場株式の購入資金に相当する預け金返還請求権は、被相続人の相続財産であるとする相続税の更正処分等に対し、取消しを求めた。争点は、上記の預け金返還請求権があるか否か。 続きを読む

相当因果関係あるといえない 大阪高裁に差し戻す―最高裁

上告人(各種印刷物の紙加工品製造会社)が被上告人(日用品雑貨輸出入・販売会社)に対し、売買契約に基づき代金2,813万円余と遅延損害金の支払い等を求める本訴に対し、 続きを読む