審査請求人が小切手で受領した売上代金を売り上げに計上していなかったとして、法人税等の修正申告をしたところ、原処分庁が事実の隠ぺいまたは仮装の行為があったとして重加算税の賦課決定処分を行った。
請求人がそのような行為はないとして、その全部の取り消しを求めた事案で国税不服審判所は、売上金額を脱漏する目的で取引先に依頼し、決済方法を変更したなどの事実があったとは認められないとして処分を全部取り消した。2月7日付裁決。
原処分庁は▽請求人の代表者は銀行振り込みでなければ売り上げに計上されないことを認識した上で、取引先に決済方法を銀行振り込みから小切手に変更するよう依頼して請求人の売り上げを脱漏した▽その行為は国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する事実の隠ぺいに該当する―旨主張。審判所は▽決済方法が銀行振り込みから小切手に変更されたのは、当該取引先の事情による▽代表者が当該取引先に対して決済方法の変更を依頼した事実が確認できず、また他の証拠においても代表者が売上代金を銀行振り込み以外は売り上げに計上されないと認識していたことを裏付ける証拠も認められない―として、請求人に通則法第68条第1項の事実の隠ぺいがあったとは認められないと裁決した。
■参考:国税不服審判所|決済方法を変更したとは認められないとして重加算税の賦課決定処分を取り消した事例(全部取消し・平成31年2月7日裁決)
http://www.kfs.go.jp/service/MP/01/0605030200.html#a114