亡父Aが所有する一切の財産を長男に相続させる旨の遺言をした。遺留分が侵害されたと長女が主張、長男が上告人、長女が被上告人となって争っている事案で最高裁第三小法廷は、原判決中▽被上告人の請求を認容した部分▽上告人の相殺の抗弁を認めて被上告人の上告人に対する172万4,773円の不当利得返還請求と遅延損害金の支払い請求を棄却した部分―を棄却、この部分につき名古屋高裁に差し戻した。 続きを読む
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受益権を遺留分減殺の対象に 民事信託で判決―東京地裁
Aの長男・原告Xが二男・被告Yに対し、Aが死亡13日前に行った信託契約が意思無能力または公序良俗違反により無効である等の主張に基づき、同信託に基づき行われた不動産の所有権移転登記と信託登記の各抹消登記手続き等の請求をした事案で東京地裁は▽本件信託のうち、経済的利益の分配が想定されない不動産を信託財産とした部分は、遺留分制度を潜脱する意図での信託制度利用であり公序良俗に反し無効▽信託契約による信託財産の移転は形式的な所有権移転にすぎないため、信託においては受益権を遺留分減殺の対象とすべし―と判決した。30年9月12日付。 続きを読む