カテゴリー別アーカイブ: 判例

事業所得の収入金額に該当 請求人の主張認めず―不服審

審査請求人の所得税、消費税、地方消費税について原処分庁が、請求人の管理する預金口座への入金が収入に当たるとして決定処分と重加算税の賦課決定処分を行った。請求人が、当該入金は立て替え金の返済を受けたもので収入には当たらないなどとしてその全部の取り消しを求めた事案で国税不服審判所は2月6日付で、事業所得の収入金額に該当すると裁決。各決定処分等についていずれも一部を取り消したものの、その他は理由がないとして棄却した。 続きを読む

原判決を棄却、高裁に差し戻す 個人情報漏えい事件―最高裁

被上告人が管理していた上告人の個人情報が過失により外部に漏えい。上告人が精神的苦痛を被ったと主張して被上告人に対し、不法行為に基づき慰謝料と遅延損害金の支払いを求める事案で最高裁第二小法廷は、上告人の請求を棄却した原判決を棄却、原審の判断には審理不尽の違法があるとして大阪高裁に差し戻した。 続きを読む

上告人の請求棄却した項を破棄 在外子会社の利益―最高裁

内国法人である上告人が20年3月期と21年3月期の法人税の確定申告をしたところ、刈谷税務署長から租税特別措置法66条の6第1項により、シンガポールに設立した上告人の子会社Aの課税対象留保金額に相当する金額が上告人の各事業年度の所得金額の計算上、益金の額に算入されるなどとして、20年3月期の法人税の再更正処分・過少申告加算税賦課決定処分、21年3月期の同税の再更正処分を受けた。 続きを読む

役員給与の功績倍率の損金算入 平均の1.5倍まで-東京地裁

元代表取締役Xに支給した役員退職給与を全額損金算入して確定申告をしたところ所轄税務署が更正処分を行った事案で、東京地裁は処分を一部取り消す判決を下した。 続きを読む

原決定破棄、原々決定取り消す 債権差し押さえ命令―最高裁

抗告人が、相手方に対する元金と支払い済みまでの遅延損害金の支払いを内容とする金銭債権を表示した債務名義による強制執行として差し押さえ命令の申し立てをした抗告審で、最高裁第三小法廷は原決定を破棄、原々決定を取り消し、本件を東京地裁に差し戻した。 続きを読む

弁護士法25条1号に違反 訴訟代理人の訴訟行為―最高裁

破産管財人を原告とする訴訟で、破産者の依頼を承諾したことのある弁護士が被告の訴訟代理人として訴訟行為を行うことが弁護士法25条1号に違反するかどうかが争点となった抗告審で、最高裁第一小法廷は違反に当たると決定した。 続きを読む

請求人に帰属する収益といえず 更正処分の一部取消し―不服審

審査請求人(同族会社)が金属スクラップ等の売買取引で得た収入を故意に計上しなかったことなどを理由として、原処分庁が法人税の更正処分と重加算税の賦課決定処分をした。請求人が当該取引に基づく収益は請求人に帰属するものではなく、原処分には理由の記載や調査手続きに瑕疵があるなどと主張して全部の取り消しを求めた事案で国税不服審判所は3月10日付で、取引先から請求人の元代表者に支払われた金員は請求人に帰属する収益とは認められないと認定、更正処分の一部、賦課決定処分の全部を取り消した。 続きを読む

原処分の全部取り消し 請求人の主張を認容―審判所

審査請求人らが相続税の申告を行ったところ、原処分庁が、そのうちの一人が所有する土地上に被相続人が借地権を有しており、当該借地権の価額が相続税の計算の基礎となる課税価格に算入されていないとして相続税の各更正処分等を行った。 続きを読む

原判決中の一部破棄、差し戻す 求償権行使懈怠違法―最高裁

大分県教育委員会の職員らが教員採用試験で受験者の得点を操作するなどの不正を行い、不合格となった受験者らに対して県が損害賠償金を支払ったが、不正に関与した者に対する求償権は行使しなかった。これについて住民らが、違法に財産の管理を怠るものと主張、県を相手に地方自治法242条の2第1項の求償権に基づく金員の支払い請求を求めた住民訴訟で最高裁第二小法廷は、原判決中、▽不正を行った4人に対する求償権に基づく金員の支払い請求を求める部分▽上告人らが不正に関与したと主張する他の2人に対する求償権の行使を怠る事実の違法確認を求める部分と求償権に基づく金員支払い請求を求める部分―を破棄、福岡高裁に差し戻した。 続きを読む

同一労働同一賃金 中小企業に大きな課題

正社員と同様の業務内容にも関わらず、契約社員について手当や休暇制度に格差があるのは労働契約法に違反するとして争われた裁判で、一部の格差について不合理な差異に当たると判断された。契約社員と正社員の賃金制度に一定の違いがあることまでは否定していないが、手当の一部支給や休暇の付与を行うよう求める内容となっている。 続きを読む