当初から過少申告の意図なし 重加算税の賦課決定を取り消し

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審査請求人(医師)が原処分庁の調査を受け、収入の申告漏れ等があったとして所得税や消費税などについて修正申告をした。これを受け原処分庁が、当該収入の申告漏れは課税要件事実の隠ぺいまたは仮装に基づくなどとして重加算税の賦課決定処分等の原処分を行った。請求人がこれを否定、一部の処分について全部取り消し、その余について過少申告加算税相当額を超える部分に相当する額の取り消しを求めた事案で、国税不服審判所は29年8月23日付で、当初から過少に申告する意図があったと認めることはできないとして、重加算税の賦課決定処分を取り消した。

特定の取引先からの報酬等が事務所名義の口座に入金されていたことについて原処分庁は、関与税理士へのその通帳の不提示、調査担当職員から指摘されるまで、職員に通帳を提示しなかったことを前提に、重加算税の賦課要件を満たす旨主張。

審判所は▽請求人は適正に申告していると誤解していたと考える余地がある▽職員に殊更隠ぺいしようとしたとは考え難く、本件通帳以外の通帳を提示すれば問題ないと考えて通帳を提示しなかったとみる余地がある―とし、原処分庁の主張する請求人が当初から過少に申告する意図があったと推認させるまでは至らないとした。

■参考:国税不服審判所|所得を過少申告する意図が認められないとして、重加算税の賦課決定処分取消事例(全部取消し、一部取消し・平成29年8月23日裁決)|

http://www.kfs.go.jp/service/MP/01/0605030200.html#a108