事実上占有は「取得」とせず 減価償却費の損金性で判決

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請負契約に基づき自社工場に設置した機械装置の減価償却費や特別償却準備金を損金算入しての確定申告について行われた更正処分に対し、納税者が取消しを求めていた事案で東京地裁はその主張を退けた。

菓子の製造・販売を手がける納税者は、24年6月に機械製作メーカーと業務請負基本契約と覚書を締結。契約では、納入された機械装置の動作確認・検証がとれた後に検収印を押印して検収とし、代金を支払う。その所有権は契約代金が全額支払われたときに移転するとされていた。25年2月20日に装置の設置が完了したが、翌日に不具合が生じたため継続的な調整・改善が図られ、25年5月に安定して稼働するようになったことから検収日を同年5月27日とする検収書を作成・交付した。

裁判で納税者は、25年2月、3月には装置を用いて製品の出荷・販売を行っており、その減価償却費等は24年度の損金の額に算入できると主張。しかし地裁は、法人税法における固定資産の「取得」は、私法上の法律行為による所有権移転にあたると指摘。代金が全額支払われたのは25年7月であり、24年度の終了時までに装置を「取得」していなかったとして課税庁の処分を妥当とした。同様の理由で、この装置に係る消費税も控除できないとした。