請求人に帰属する収益といえず 更正処分の一部取消し―不服審

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審査請求人(同族会社)が金属スクラップ等の売買取引で得た収入を故意に計上しなかったことなどを理由として、原処分庁が法人税の更正処分と重加算税の賦課決定処分をした。請求人が当該取引に基づく収益は請求人に帰属するものではなく、原処分には理由の記載や調査手続きに瑕疵があるなどと主張して全部の取り消しを求めた事案で国税不服審判所は3月10日付で、取引先から請求人の元代表者に支払われた金員は請求人に帰属する収益とは認められないと認定、更正処分の一部、賦課決定処分の全部を取り消した。

原処分庁は、元代表者の求めに応じて支払われた金員について、請求人に支払われたものである旨主張。審判所は▽当時、元代表者は請求人の役員や従業員ではなく、請求人が受注した工事に仲介人として関与しただけ。元代表者の行為を請求人の行為と同視できない▽支払明細書が請求人に送付されたと認めるに足る証拠はない。明細書の記載をもって金員が請求人に支払われたものとは認められない▽請求人との取引の継続を目的として金員が支払われたことは、金員が請求人に支払われたことの決め手とはいえない―と指摘。金員は元代表者個人に支払われたものと認めるのが相当であり、請求人に帰属する収益とは認められないと裁決した。

■参考:国税不服審判所|請求人に帰属する収益否認認定事例(法人税更正処分並びに過少申告加算税・重加算税の各賦課決定処分等・一部取消し、棄却・平成29年3月10日裁決)|

http://www.kfs.go.jp/service/MP/03/0102020600.html#a106