原処分庁が、審査請求人の申告した不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入した支出の一部は必要経費に該当せず、また、医師としての健康診断の業務に係る報酬を雑所得として更正処分等をしたのに対し、請求人が▽調査手続きは違法▽更正の理由付記に不備がある▽不動産所得と雑所得に係る必要経費の認定に誤りがある―として原処分の取り消しを求めた事案で国税不服審判所は28年11月1日付で、審判所が行った調査により追加で認容すべき必要経費の額を認め、処分の一部を取り消した。
請求人は、修繕費等や旅費・交通費等の各支出は不動産所得や雑所得の金額の計算上、必要経費に算入すべき旨主張。だが、それを裏付ける証拠書類等の提示や説明を原処分調査時にも異議調査時にもせず、また、審判所の再三の求めにも応じず、証拠書類等をほとんど提出しなかった。
審判所は各支出の事実の有無、各支出が不動産所得を生ずべき業務と直接の関係を持ち、業務の遂行上必要なものか否か、その他支出の有無について主に原処分関係資料に基づいてその適否を判断。その結果、各支出は、原処分額算定で誤りがあった一部を除き、必要経費に算入できない。雑所得の必要経費についても原処分庁認定額を不相当とする理由はないと裁決した。
■参考:国税不服審判所|不動産所得の認容すべき必要経費の額を認めた事例(一部取消し・平成28年11月1日裁決)|
http://www.kfs.go.jp/service/MP/02/0402130000.html#a105