請求人は、土地及び建物を一括で3物件買い受けて、貸付けの用に供した。各売買契約書に記載された土地及び建物の各価額は、第三者間での相対の商取引において合意された価額なので、当該各建物に係る所得税法施行令第126条《減価償却資産の取得価額》第1項に規定する「当該資産の購入の代価」は、本件各価額に基づいて算定すべき、と主張。
国税不服審判所は、本件3物件の各売買代金総額は各固定資産税評価額総額を上回るのに対し、各建物価額はその固定資産税評価額を大きく上回る一方、各土地価額はその固定資産税評価額と同様か又は下回っている。各建物価額は、各売買代金総額から過剰に価額が配分されたものというべきであり、客観的な価値と比較して著しく不合理なもの。
建物の購入の代価について、売買代金総額を土地及び建物の各固定資産税評価額の価額比によりそれぞれあん分して算定することが一般的には合理的な基準による算定と言える。さらに本件3物件の各固定資産税評価額が適正な時価を反映していない事情もうかがえないから、本件3物件に係る各建物の購入の代価は、本件3物件の各売買代金総額を土地及び建物の各固定資産税評価額比によりそれぞれあん分して算定すべきである、と判断した。
■参考:国税不服審判所|一括して売買された土地及び建物の購入の対価は、合理的な基準によりあん分して算定すべきであるとされた事例|
https://www.kfs.go.jp/service/MP/02/0402100000.html#a128