ようやく賃上げ機運が高まりつつあるものの、過去30年間、平均賃金がほとんど増加してこなかった影響もあり、収入の増加を希望する点からも副業・兼業を希望する雇用者は増加傾向にある。企業側も社員のキャリアアップにつながることを期待する意識が高まりつつあるようだ。
令和3年における株式会社パーソル総合研究所の調査では正社員の副業を全面的に容認する企業は23.7%、「条件つき容認」を含めると55.0%であったが、昨年10月の日本経済団体連合会の調査では社員の副業・兼業を「認めている」、「認める予定」の合計が70%を超えている。
厚生労働省も労使双方にメリットがあるように、安心して副業・兼業を実施できるような環境作りを行う方針だ。今回、同省では「副業・兼業に取り組む企業の事例について」を公表、実際に副業・兼業に取り組む企業へのヒアリングを行い、具体的な事例をまとめている。資料では、副業・兼業の解禁に不安を持っている、副業・兼業のことがよく分からないという企業や労働者に向けて、先進的な取組み事例に加えて「非雇用に限り副業を解禁している事例」や「副業・兼業を許可制としている事例」なども掲載しているので、労使双方にとって参考になるだろう。
■参考:厚生労働省|「副業・兼業に取り組む企業の事例について」を公表しました~副業・兼業に取り組む11社の事例を紹介~|
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32364.html