事業の中断後のコスト計上 仮装・隠ぺいとは言えず

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請求人の元代表者Gが、共同事業の成立しなかったH社に対し支払うこととしていた分配金の額を損金算入して確定申告書を提出したことについて、事業の中断によりH社は分配金を受領しなかったにもかかわらずその額を計上したのは、通則法第68条第1項の「隠ぺいし、又は仮装し」に該当するとして重加算税の賦課決定処分が行われた事案。審判所は、同項を適用することはできないとした。2年9月4日付。

請求人は不動産の売買、仲介・管理等を行う法人で、とある不動産を取得するため、Gは必要な資金の調達をH社に依頼。見返りに1億5千万円を支払うことを約した。H社の職務執行者Kは、これを含む複数の不動産取引をGと共同事業として手掛けるべく、その目論見を書面化。書面には「共同事業契約締結済み」との記載と、取引にかかる資金の流れがあった。しかしその後、Kは態度を変え資金提供を拒否。Gは共同事業を別会社のL社と行うこととなった。

審判所は、GとKは共同事業を進めていた期間があり、その間に、Kが何らかの役務提供を行っていたとGが認識し、対価を払う必要があると考えていた可能性がないとは言えないと判断。その他、故意に事実をわい曲したと認めるに足る証拠もないことから、原処分の一部を取り消した。

■参考:国税不服審判所|役務提供のない支払手数料を計上したことに事実の仮装は認められないとした事例|

https://www.kfs.go.jp/service/MP/01/0605030200.html#a120