役員給与返還での源泉徴収税額 控除および還付せず-裁決事例

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請求人は、役員給与につき源泉徴収された所得税等について、当該役員給与を一部返還したことにより過大となったにもかかわらず、源泉徴収義務者が源泉徴収税額の精算をしない場合には、源泉所得税を国は収納し利益を得ているのであるから、所得税法第120条《確定所得申告》第1項第5号(改正前)の「源泉徴収された又はされるべき所得税の額」は、実際に源泉徴収された所得税等の額と解するのが相当であり、請求人は、本件の各更正の請求により本件各源泉所得税の額の還付を受けることができる旨主張。

国税不服審判所は、同号にいう「源泉徴収をされた又はされるべき所得税の額」とは、所得税法の源泉徴収の規定に基づき正当に徴収をされた又はされるべき所得税等の額を意味する。役員給与が減額された以上、源泉徴収の規定により正当に徴収された又はされるべき所得税等の額も減少するのであるから、請求人が主張する事情があったとしても、請求人は、本件各源泉所得税の額のうち、「正当に徴収された又はされるべき所得税等の額」を超える金額を算出所得税額から控除し、又は還付を受けることはできないとした。ただし源泉徴収による所得税等の額の再計算された額は、原処分庁でも判断できると一部取消した。

■参考:国税不服審判所|給与を返還した場合には源泉徴収の規定により正当に徴収された又はされるべき所得税等の額も減少するとした事例(令和5年4月12日裁決)|

https://www.kfs.go.jp/service/MP/01/0202020000.html#a131