通関手続きなく返送された商品 輸出許可あり輸入として課税

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請求人は、令和4年1月、中国のA宛てに製造たばこである加熱式たばこを内容とする郵便物を日本国内から発送して輸出した。本件郵便物は中国に到着したが、同年3月中国において輸入のための通関手続を経ることなく、その輸入が取りやめとなったため、受取人への交付はされず、差出人である請求人に還付され返送された。

その後、D税関の外郵出張所長は請求人に対し、国際郵便物課税通知書により、本件郵便物に係るたばこ税等の課税標準および納付すべきたばこ税等の税額を通知した。請求人は外国において通関していない以上「輸入」に当たらず、輸入に係るたばこ税等の納付等の必要はない旨主張した。

国税不服審判所は、関税法第2条《定義》第1号のとおり、「輸入」とは、外国から本邦に到着した貨物又は輸出の許可を受けた貨物を本邦に引き取ることをいう旨規定されている。そして、本件郵便物は、本邦からの輸出を許可された貨物とみなされるところ、請求人が本件郵便物に係る製造たばこの交付を受けることは、輸出の許可を受けた製造たばこを内容とする郵便物の本邦への引取りであり、「輸入」に当たる。よって、請求人が、本件郵便物に係る製造たばこの交付を受けるためには、たばこ税等の納付等を要すると説示した。

■参考:国税不服審判所|外国において通関手続を経ることなく本邦に返送された郵便物は、輸出の許可を受けた製造たばこに係る郵便物の本邦への引取りであり、輸入に当たるとした事例(令和5年3月17日裁決)|

https://www.kfs.go.jp/service/MP/13/0101000000.html#a130