タグ別アーカイブ: 最高裁判所

精神科病院にて無断離院し自殺 防止策の説明義務違反なし

統合失調症の治療のため、本件病院(上告人)に入院した患者が、入院中に無断離院をして自殺したことについて、相続人である被上告人が、上告人は無断離院の防止策が十分に講じられていない等の本件患者に対する説明義務を果たしていない等により、債務不履行に基づく損害賠償を請求した。 続きを読む

小選挙区の区割り有効性問うも 投票価値の平等に反せず

最高裁判所は、令和3年10月31日施行の衆議院議員総選挙について、衆議院小選挙区選出議員の選挙の選挙区割りに関する公職選挙法の規定は憲法に違反し無効であり、これに基づく本件選挙の該当選挙区における選挙も無効であるとした選挙無効訴訟を棄却した。 続きを読む

離婚請求時の財産分与申立て 一部をのぞく裁判は違法

上告人が離婚請求とともに、附帯して財産分与の申立てを行い、また被上告人が反訴として上告人に離婚を請求し、附帯して財産分与の申立てをするなどした最高裁の事案。分与を求める財産には、婚姻後に共に出資して設立した医療法人の持分が含まれる。 続きを読む

健保法の通知「処分」に該当 処分取消等請求は却下に

上告人の健康保険を管掌していた健保組合は当初、上告人の妻を、健康保険法3条7項1号所定の被扶養者に該当するとしていたが、その後、妻の収入が本件組合の定める基準を満たさなくなったことを理由として、妻は被扶養者に該当しない旨の通知をした。 続きを読む

消費者契約の条項に該当 賃貸住宅保証会社敗訴―最高裁

賃貸住宅の賃借人の賃料等の支払いに係る債務を保証する事業を営む会社(被上告人)が(1)賃借人が支払いを怠った賃料等及び変動費の合計額が賃料3カ月分以上に達したときは、無催告にて原契約を解除することができる(2)賃借人が賃料等の支払いを2カ月以上怠り、合理的な手段を尽くしても賃借人本人と連絡がとれない状況の下、本件建物を相当期間利用していないものと認められ、かつ本件建物を再び占有使用しない賃借人の意思が客観的に看取できるときは、賃借人が異議を述べない限り、本件建物の明け渡しがあったものとみなすことができるとした保証契約書を提示した。 続きを読む

間接強制による子の引渡し 認容原決定破棄―最高裁

抗告人が、夫である相手方に対して両名の長男を抗告人に引き渡すよう命ずる審判を債務名義として、間接強制の方法による子の引き渡しの強制執行の申立てをした事案で最高裁第三小法廷は、原決定を破棄、原々決定に対する抗告を棄却した。 続きを読む

選挙区規定も議員数条例も是認 都条例に不合理ない―最高裁

東京都議会が昭和44年に制定した議員の定数ならびに選挙区および各選挙区における議員の数に関する条例(都条例第55号)に基づき令和3年7月4日に行われた都議会議員一般選挙について、江東区選挙区の選挙人である上告人が、同号が公職選挙法271条、憲法14条1項等に違反すると主張、本件選挙の江東区選挙区における選挙を無効とすること等を求める事案で最高裁第二小法廷は上告を棄却。 続きを読む

教師は利用主体でない 音楽著作物の使用請求権なし

音楽教室の生徒らが教室を運営する者らの指示・指導下で行う演奏に際して利用する音楽著作物が著作権使用料の対象となるかどうかが焦点となった、音楽教室における著作物使用に関わる請求権不存在確認請求事件で最高裁第一小法廷は、上告を棄却した。 続きを読む

原決定を破棄、高裁に差し戻す 離婚における財産開示手続事件

ある夫婦が離婚に際し、一方が支払義務を負う子の監護費用について合意し、執行力のある債務名義である養育費支払等契約公正証書を締結。この元夫婦が抗告人と相手方となり、執行証書の正本を有する金銭債権の債権者である抗告人が民事執行法197条1項2号に基づき相手方について、財産開示手続の実施を申し立てた事案で最高裁第一小法廷は原決定を破棄、東京高裁に差し戻した。 続きを読む

混合供託実施の必要あり 建替円滑化法に基づく補償金

マンション建替事業の施行者(被上告人)がマンションの建替え等の円滑化に関する法律76条3項に基づく補償金の供託義務を負う場合において、区分所有者だったBが保有する補償金の支払請求権に対する抵当権者(信用保証会社)と根抵当権者(地域金融機関、3権者が上告人)との間で差押えの競合が生じたときの対応をめぐる取立金請求事件。 続きを読む