カテゴリー別アーカイブ: 判例

抵当不動産の賃料債権巡る相殺 対抗力認めず原判決を破棄

本件は、建物の根抵当権者であり、物上代位権を行使して賃料債権を差し押さえた上告人が、賃借人である被上告人に対し、当該賃料債権のうち2790万円の支払を求めた取立訴訟。

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出演者逮捕で助成金交付取消し 憲法21条に抵触、裁量権濫用

映画会社である上告人が、被上告人の日本芸術文化振興会法等で定められた独法の理事長に対し、「宮本から君へ」と題する劇映画の制作活動につき、助成金の交付申請をし、交付内定を得た。その後、本件映画出演者の一人がコカイン使用のため逮捕され、有罪判決が確定した。理事長は上記事実関係により国の事業による助成金を交付することは公益性の観点から適当ではないとし、本件交付金を交付しない旨処分したため、上告人が本件取消しを求めた事案。 続きを読む

マンション請負代金回収巡り 請負人への利益侵害認めず

本件マンションは、M社が、敷地利用権付きで分譲販売する計画の下に、本件敷地の所有権を取得の上、被上告人との間で本件契約を締結して建築された。M社は、被上告人に対し、平成28年6月末を期限とする約定の中間金1億5000万円を支払うことができず、同年7月27日、被上告人のために本件敷地に極度額を6000万円とする根抵当権を設定し、その旨の登記がされた。

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消滅会社株主の株式買取価格 委任状の反対通知の取扱い

本件は、スジャータ社の株主である抗告人が、同社を吸収合併消滅会社とする吸収合併についての会社法785条2項所定の反対株主であるとして、株式を公正な価格で買い取ることを請求し、その価格の決定についての申立てをした事案。 続きを読む

遺言で相続分なしの相続人 遺留分行使時の特別寄与料負担

被相続人Aは令和2年6月死亡、Aの相続人は、Aの子であるB及び相手方の2名であり、抗告人はBの妻である。Aは、生前Aの有する財産全部をBに相続させる旨の遺言をしていた。相手方は、令和3年3月Bに対し遺留分侵害額請求権を行使する旨の意思表示をした。 続きを読む

性同一性障害特例法の規定 憲法13条違反と判断-最高裁

本件は、生物学的な性別は男性であるが心理的な性別は女性である抗告人が、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(以下「特例法」)3条1項の規定に基づき、性別の取扱いの変更の審判を申し立てた事案。 続きを読む

免許保有しない宅地建物取引業 個人・法人の公訴事実の同一性

個人として免許を受けないで宅地建物取引業を営んだという訴因と、法人の代表者として法人の業務に関し免許を受けないで宅地建物取引業を営んだという訴因との間に公訴事実の同一性が争われた事例。 続きを読む

分筆登記時の土地全部処分禁止 仮処分命令の申立ての是非

抗告人が、いずれも1筆である各土地について、その各一部分の所有権を時効により取得したと主張して、本件各土地の所有権の登記名義人である相手方らに対し、当該各一部分についての所有権移転登記請求権を被保全権利として本件各土地の全部について処分禁止の仮処分命令の申立て等をした事案。 続きを読む

居住用の区分所有財産の評価 パブコメ結果を公表、一部訂正

国税庁はこのほど、「居住用の区分所有財産の評価について」の法令解釈通達(案)に対するパブリックコメントを募集し、その結果について公表した。102件の意見提出があり、原案に若干の修正が加えられている(評価乖離率が零又は負数になった場合敷地利用権及び区分所有権は評価しない)。主な意見および国税庁の考え方等は以下の通り。 続きを読む

民訴法263条後段を巡って 原審を破棄し申し立て却下に

相手方である大阪拘置所に収容されている死刑確定者は、抗告人の執筆した雑誌記事により名誉が毀損されたとして、不法行為に基づく損害賠償金の支払いを求める訴訟を大阪地方裁判所に提起した。相手方および抗告人は第1回口頭弁論期日および第2回口頭弁論期日に連続して出頭しなかった。相手方は本件口頭弁論期日の後、東京地方裁判所には出頭し得るとして、本件訴訟を同裁判所に移送することを求めた。 続きを読む