カテゴリー別アーカイブ: 判例

民事再生法の相殺に該当せず 原判決を棄却―最高裁

再生手続き開始の決定を受けた上告人が、被上告人との間で基本契約を締結して行っていた通貨オプション取引等が20年9月15日に終了したとして、基本契約に基づき清算金11億円余と約定遅延損害金の支払いを求める事案で最高裁第二小法廷は、原告の請求を棄却した原判決を破棄するとともに、上告人の請求を一定の限度で認容し、その余は棄却する旨判決した。 続きを読む

株式公開買い付け価格にすべし 原決定破棄―取得価格で最高裁

抗告人による全部取得条項付き種類株式の取得に反対した抗告人の株主である相手方らが、会社法172条1項(26年法律第90号による改正前のもの)に基づき、全部取得条項付き種類株式の取得の価格の決定の申し立てをした事案で最高裁第一小法廷は、1株13万0,206円とした原決定を破棄、原々決定を取り消し、抗告人側が提示した公開買い付け価格である同12万3,000円とすると判決した。原審は、取得日までの市場全体の株価の動向を考慮した補正をするなどして算定すべきで、公開買い付け価格の採用はできないとした。 続きを読む

税理士法人に損害賠償 DES説明義務怠る―東京地裁

税理士法人が提案した節税策により生じた多額の税負担について、東京地裁は求められていた損害賠償を全面的に認めた。原告の法人Xは代表取締役Aの資産管理会社で、22年4月末時点でXに対し約11億円の貸金等債権を有していたAは、税理士法人Yに、Xに対するAの債権の相続税対策を依頼。債権をXに現物出資し、Aに対してXの株式の割当てを行うDES方式など2案が示され、X及びAはDESを採用した。 続きを読む

裁判外の和解で代理できない 認定司法書士―最高裁も棄却

司法書士法3条2項各号のいずれにも該当する司法書士(認定司法書士)に依頼した債務整理につき、認定司法書士が代理することができる範囲を超えて違法に裁判外の和解を行い、報酬を受領したなどとして、被上告人らが不法行為による損害賠償請求権に基づき上記報酬相当額の支払い等を求める事案で最高裁第一小法廷は、当該認定司法書士は、当該債務整理の対象となる個別の債権の価額が同法3条1項7号に規定する額を超える場合には、その債権に係る裁判外の和解について代理することができないと解するのが相当だとし、司法書士の上告を棄却した原審を是認した。 続きを読む

通達に基づく広大地に該当せず 請求人の主張却下―国税不服審

相続財産である土地の一部について請求人らが、財産評価基本通達24―4《広大地の評価》に定める広大地に該当するとして相続税の申告をしたのに対し、原処分庁が該当しないとして相続税の更正処分および過少申告加算税の賦課決定処分を行ったことから、請求人らが当該処分の全部の取り消しを求めた事案で国税不服審判所は27年11月25日付で該当しないと裁決。その上で各処分を一部取り消した。 続きを読む

異議申し立て件数増加 訴訟は過去10年最低件数

国税庁は先般、27年度の異議申立ての状況を取りまとめた。法人税を除くすべての税目に係る件数が増加し、計3,191件(前年度比15.8%増)となった。要処理件数は3,841件で、3,200件が処理された。認容の件数は270件で、全体の8.4%。一部認容が212件、全部認容が58件であった。3カ月以内に処理された割合は、99.3%。 続きを読む

被相続人の持ち分はみなし贈与 原処分庁の主張に軍配―不服審

国税不服審判所は27年8月4日付で、被相続人が米国にジョイント・テナンシーの形態で所有していた不動産について、生存合有者(ジョイント・テナンツ)が取得した被相続人の持ち分はみなし贈与財産に該当し、相続税の課税価格に加算されると裁決、原処分庁の主張に軍配を上げた。その上で、相続税の更正処分と過少申告加算税の賦課決定処分を一部取り消すなど是正措置をとった。 続きを読む

花押は押印の要件を満たさない 原判決破棄、差し戻す―最高裁

いわゆる花押を書くことが民法968条1項の押印の要件を満たすか否かが争われている事案で最高裁第二小法廷は、 印章による押印と同視できず、押印の要件を満たさないとし、満たすとした原審の判断を覆した。その上で、原判決中、被上告人の請求に関する部分を破棄、この部分につき本件を福岡高裁に差し戻した。 続きを読む

原判決を破棄、地裁に差し戻す 債券償還等請求事件―最高裁

外国国家が発行した円建て債券に係る償還等請求訴訟につき、当該債券の管理会社が任意的訴訟担当の要件を満たすかどうかが争われた事案で最高裁第一小法廷は、管理会社は原告適格を有すると認定。原告適格を有せず、不適法として却下した原判決を破棄し、第1審判決を取り消すとともに、第1審の東京地裁に差し戻した。 続きを読む

贈与税決定処分、全部取り消し 請求人に軍配―国税不服審

取得資金の拠出者以外の名義で登録された財産について相続税法基本通達9―9に基づく贈与税を課すことができるかどうかが争点となった事案で、国税不服審判所は27年9月1日付で、贈与の事実はないとして贈与税決定処分の全部を取り消した。 続きを読む