審査請求人らが相続により取得した自宅敷地等と5土地がそれぞれ、財産評価基本通達24-4《広大地の評価》にいう広大地に該当するか否かが争点となった事案で国税不服審判所は28年9月26日付で、各土地の地域に係る土地の利用状況や周辺地域の状況等の事情を総合勘案すると、審判所認定地域が広大地通達に定める「その地域」に当たると認めるのが相当だと裁決、工業地域とする原処分庁の主張を覆した。
原処分庁の主張の根拠は、「その地域」は用途地域が工業地域に指定され、工場、事務所、戸建て住宅および駐車場等が混在する地域であるという見方にあった。
審判所は、▽原処分庁主張地域では相当前から工場の新築はなく、工場も少ない▽良好な住宅地の発展を目的とした土地区画整理事業が施行された▽地方自治体の都市計画方針により住居系の土地利用への誘導が図られている―ことから各土地の所在する地域の標準的な使用は工場用地から住宅用地に移行しつつある。▽本件地域は戸建で住宅や共同住宅の建築で用途制限に差のない第一種住居地域に定められた地域に囲まれるようにあり、容積率と建ぺい率も同一▽本件地域と周辺地域(審判所認定地域)の東側には川が流れており、これを境に土地の利用状況が異なる―など。
■参考:国税不服審判所|広大地通達に定める「その地域」に当たると判断した事例(全部取消し・平成28年9月26日裁決)|
http://www.kfs.go.jp/service/MP/04/0702170000.html#a104