機能性表示食品検証の報告書 不開示情報に該当せず

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請求人は、消費者庁が外部機関に委託して実施した機能性表示食品の検証報告書(本件文書)について、情報公開法に基づく開示を求めた。しかし、消費者庁は当該検証機関が分析手法や検証結果を含む多数の箇所について不開示としたため、取消等を求めて提訴したもの。

原審は、検証手法や基準、定量・定性分析の結果詳細などが不開示情報(情報公開法5条6号柱書・イ)に該当するとして、開示請求を棄却した。理由として、事業者が消費者庁の監視や問題指摘を回避するため具体的な知見を回避することが容易になる点や、検証機関の自由で忌憚ない検討を阻害するおそれがある点を挙げている。

最高裁判所は、本件ガイドラインには、検証基準や手法の具体的基準は定められておらず、消費者庁が検証機関に詳細指示を出した形跡もない。したがって、監視・回避行為を直ちに招くと判断できない。また、専門機関由来の独自知見とも言い切れない。よって開示から直ちに有利に活用される蓋然性も低いと判断される。原審は、「おそれ」の有無について十分な認定・説示をしておらず、かつ開示による公益(透明性向上・信頼強化等)について考慮を欠いている。よって最高裁は原判決を破棄し、東京高裁へ差し戻した。

■参考:最高裁判所| 機能性表示食品に係る機能性関与成分に関する報告書の情報が情報公開法の不開示情報に該当するとした原審の判断に違法があるとされた事例(令和7年6月6日・第三小法廷)|

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=94164