本判決で最高裁は、生活保護法において行政庁には「裁量」が認められるが、その裁量は「法律の範囲」を逸脱してはならず、裁量権の行使を理由に不合理な行政処分を正当化することはできないとした。 続きを読む
タグ別アーカイブ: 最高裁判所
風俗営業に公費の継続支援なし 最高裁が「合憲」と判断
上告人は、風営法2条7項1号の無店舗型性風俗特殊営業を営む事業者として、新型コロナウイルスによる影響を受けた中小法人等向け持続化給付金・家賃支援給付金の支給要件に適合し、風営法上の制度規程に違反しないにもかかわらず、不支給扱いとされたことは、憲法14条1項(平等原則)及び22条1項(職業選択の自由)に反すると主張した。 続きを読む
機能性表示食品検証の報告書 不開示情報に該当せず
請求人は、消費者庁が外部機関に委託して実施した機能性表示食品の検証報告書(本件文書)について、情報公開法に基づく開示を求めた。しかし、消費者庁は当該検証機関が分析手法や検証結果を含む多数の箇所について不開示としたため、取消等を求めて提訴したもの。 続きを読む
退職手当不支給の適法性 最高裁が原判決を破棄
本件は、被上告人が勤務中に運賃1,150円を着服し、さらに勤務中に電子たばこを使用したことを理由に懲戒免職処分を受け、その後、退職手当約1,211万円の全額不支給処分を受けたことに対し、これらの処分の取消しを求めたものである。 続きを読む
宗教的施設の敷地使用許可 政教分離規定に違反せず
本件は、那覇市が管理する都市公園内に設置された儒教の祖・孔子を祀る久米至聖廟について、その敷地使用が憲法の政教分離原則に違反するか否かが争われた事案である。 続きを読む
地域型保育給付費の支給請求権 契約等に基づく金銭債権
本件は、保育事業者が市町村に対して有する「地域型保育給付費」の支給請求権が、子ども・子育て支援法17条にいう「子どものための教育・保育給付を受ける権利」に該当するか否か、したがって差押禁止債権に当たるかが争点となった事案である。 続きを読む
警部補自殺への安全配慮義務 県に損害賠償責任あり
本件は、静岡県警察に勤務していた警部補A氏が自殺したことをめぐり、妻子である原告が静岡県に対して損害賠償を求めた事案。裁判は、県警察がA氏に対し安全配慮義務を怠ったか否か、特に上司の監督責任についての論点を含んでいる。 続きを読む
東電の業務上過失致死傷裁判 予見可能性認められず
14年前の福島第一原発事故をめぐり、最高裁判所は、上告を棄却、上告理由が刑事訴訟法第405条に該当しないと判断した。 続きを読む
海外サーバ経由で同種サービス 属地主義緩和し特許権侵害に
被上告人が上告人に対し、特許権侵害を主張し、上告人の行為の差止め及び損害賠償を求めたもの。インターネットを通じて国外からファイルを送信し、国内外のサーバと端末を接続するシステムの構築が、日本の特許法第2条第3項第1号における「生産」に該当し、特許権を侵害するかが争われた。 続きを読む
複数構造の家屋課税台帳価格 市の評価方法に合理性認める
被上告人は、自身が所有する家屋の平成30年度の評価額について、広島市長により決定され家屋課税台帳に登録された本件家屋の価格を不服として、広島市固定資産評価審査委員会に申し立てた。同委員会はこの申し立てを棄却、被上告人は審査決定の取消しを求めて訴訟を提起した。 続きを読む