カテゴリー別アーカイブ: 判例

契約なくとも費用負担義務あり 類似実務に波及か-最高裁

別荘地の管理費用を巡り、最高裁判所はこのほど、管理会社の請求を認容する判決を下した。上告側である管理会社は、管理契約の有無にかかわらず、共通施設の維持管理によってすべての所有者が利益を受けており、費用を公平に負担すべきと主張した。 続きを読む

生活保護支給額引き下げ 行政裁量の適正性枠組み提示

本判決で最高裁は、生活保護法において行政庁には「裁量」が認められるが、その裁量は「法律の範囲」を逸脱してはならず、裁量権の行使を理由に不合理な行政処分を正当化することはできないとした。 続きを読む

国税等審査請求・訴訟の状況 納税者の主張はほぼ通らず

国税庁が発表した資料によると、令和6年度における審査請求の新規受理件数は1,088件であり、前年度から189件減少した。処理件数は1,194件で、うち納税者の主張を認容した件数は78件(全部認容14件、一部認容64件)で、認容率は6.5%となっている。 続きを読む

機能性表示食品検証の報告書 不開示情報に該当せず

請求人は、消費者庁が外部機関に委託して実施した機能性表示食品の検証報告書(本件文書)について、情報公開法に基づく開示を求めた。しかし、消費者庁は当該検証機関が分析手法や検証結果を含む多数の箇所について不開示としたため、取消等を求めて提訴したもの。 続きを読む

退職手当不支給の適法性 最高裁が原判決を破棄

本件は、被上告人が勤務中に運賃1,150円を着服し、さらに勤務中に電子たばこを使用したことを理由に懲戒免職処分を受け、その後、退職手当約1,211万円の全額不支給処分を受けたことに対し、これらの処分の取消しを求めたものである。 続きを読む

遺留分訴訟における和解 価額弁償金と断定できず

請求人は被相続人の相続人であり、被相続人の死亡後に、他の相続人らに対し遺留分侵害額請求訴訟を提起した。訴訟の過程で和解が成立し、請求人は一定額の解決金を受領した。これに対し請求人は、当該金銭は価額弁償金であるから、相続税法第35条第3項第1号の更正の特則対象となり、課税価格に算入すべき金額は財産を取得した他の相続人に帰属すべきと主張。 続きを読む

地域型保育給付費の支給請求権 契約等に基づく金銭債権

本件は、保育事業者が市町村に対して有する「地域型保育給付費」の支給請求権が、子ども・子育て支援法17条にいう「子どものための教育・保育給付を受ける権利」に該当するか否か、したがって差押禁止債権に当たるかが争点となった事案である。 続きを読む

警部補自殺への安全配慮義務 県に損害賠償責任あり

本件は、静岡県警察に勤務していた警部補A氏が自殺したことをめぐり、妻子である原告が静岡県に対して損害賠償を求めた事案。裁判は、県警察がA氏に対し安全配慮義務を怠ったか否か、特に上司の監督責任についての論点を含んでいる。 続きを読む

海外サーバ経由で同種サービス 属地主義緩和し特許権侵害に

被上告人が上告人に対し、特許権侵害を主張し、上告人の行為の差止め及び損害賠償を求めたもの。インターネットを通じて国外からファイルを送信し、国内外のサーバと端末を接続するシステムの構築が、日本の特許法第2条第3項第1号における「生産」に該当し、特許権を侵害するかが争われた。 続きを読む