日本政策金融公庫中小企業事業本部が実施した「取引先海外現地法人の業況調査」によると、東南アジア諸国連合(ASEAN)は、足元の損益が悪化、今後1年間の利益予想で「増加」と回答した企業は59.1%と比較的高い水準を示したものの、25年8月の前回調査から7.0ポイント減少した。また、当面の経営方針も事業「拡大」方針の企業が60.7%と高い水準にあるが、前回から4.1ポイント減少。タイの政情不安などを背景に、資金調達を予定している企業の割合も減少した。
中国も、足元の損益が悪化。今後1年間の利益予想で「増加」と回答した企業は49.8%で、前回から10.9ポイント改善したものの、ASEANと比較すると低い水準。経営方針も「事業拡大」と答えた割合は改善の兆しが見られるが、日中関係の悪化継続などを背景に、資金調達を予定している企業は低い水準。
投資有望国(中期的な事業展開先)は、「低廉豊富な労働力」が評価されたベトナムが1位。続くタイ、インドネシア、中国は「現地市場の将来性」が高く評価されたものの、いずれも問題点として「労務費の上昇」が1位だった。この調査は、6~7月に取引先を対象にアンケート調査方式で実施。調査票送付企業数4,299社、回答企業数676社。