日本政策金融公庫総合研究所はこのほど、「小企業の事業継続に関するアンケート」を実施した。後継者の有無、事業の売却や譲渡の意向、生涯現役の意向をもとに60歳以上の高齢経営者を分類すると、「承継希望経営者」が72.6%、働けるうちは経営を続けたい「生涯現役経営者」は21.6%、一定年齢で経営をやめたい「引退希望経営者」は5.8%となった。
事業の経営に対する総合的な満足度は、「満足」が承継希望経営者では46.7%であるのに対し、生涯現役経営者は36.2%、引退希望経営者は30.8%と低い。また、生涯現役経営者では収入について「不満」が50.2%と高い。他方、経営者として働くことに生きがいを「感じている」割合は、生涯現役経営者では66.4%、引退希望経営者では54.2%、承継希望経営者では77.1%と、いずれも半数を超えている。
ただし、生涯現役経営者が経営を続けたい多くの理由が「生活費をまかなうため」であり、現在の生計について当該経営者は「あまり余裕がない」(47.8%)と「まったく余裕がない」(29.3%)が、引退希望経営者(同40.3%、22.7%)や承継希望経営者(同 41.9%、15.2%)を上回る。生涯現役経営者の厳しい状況が浮き彫りとなっている。
■参考:日本政策金融公庫|「小企業の事業継続に関するアンケート」結果の概要~ |
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_250116.pdf