リース、単一モデルをベースに IFRSとの整合性を優先

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企業会計基準委員会では、すべてのリースについて資産及び負債を認識するリース会計基準の開発を行っているが、費用配分の方法に関しては、IFRS第16号「リース」と米国会計基準(Topic842)とではその取扱いが異なるため、大きな論点となっている。

昨年の段階では反対意見はあるものの、IFRSの単一モデルを採用する方向で提案が行われていたが、同委員会では借手の費用配分の方法に関し、IFRSと米国会計基準(2区分モデル)のどちらを採用するか改めて検討している。

企業会計基準委員会では、財務諸表利用者のニーズの観点からは損益計算書の調整が不要となる点などで、IFRSの単一モデルの方が適していると指摘。また、財務諸表作成者のニーズの観点からは、従来は米国会計基準を支持する意見が聞かれたが、最近ではIFRS任意適用企業を中心にIFRSと整合性を図るべきとの意見が多くなっているとしている。これらを踏まえ同委員会では、リース会計基準の改正に関しては改めてIFRSの単一モデルを基礎として進めていくことが適切としている。なお、IFRSの単一モデルを採用した場合は関連諸法規の運用上の参照も変更される可能性があるため、社会的コストが増加する可能性があると指摘している。

■参考:企業会計基準委員会|第 462 回企業会計基準委員会(2021年7月28日)プロジェクト・リース

https://www.asb.or.jp/jp/wp-content/uploads/20210728_08.pdf