Weeklyコラム コロナ禍を発展の糧に

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水や空気は無くなって初めて、その存在や重要性に気づくものだ。健康、気象、平穏な暮らし等、何事も出来事が少ない方が幸せと言える。出来事の発生に苦労している人は、平穏な幸せをより強く感じている。

今度のコロナ禍によって、「店舗や商店街に来店客と来街者がいる幸せ」「自由に店舗や施設等を行き来出来る幸せ」「友人や同僚と楽しく飲食や会話が出来る幸せ」等、平凡で平穏な日常の有り難味を実感した。飲食店の経営を例にすれば、従来は「自分の仕事は食材を調理してお客に提供、接客すればそれですべて済む」と思っていたかもしれない。

ところが、コロナ禍によって、来店客の減少だけでなく、営業日・営業時間の規制、酒類提供の停止、店舗レイアウト・接客法の変更等、あらゆる営業法が変わった。接客の挨拶、メニューの説明、従業員とお客との会話も控えるようになった。

反面、コロナ禍の発生は、これまで特別に意識しなかった所属商店会や各種団体の支援、近隣住民・なじみ客・食材等仕入先からの励ましや支援(持帰り弁当の利用や取引条件の融通)、その他暖かい心のつながりを教えてくれた。商売は平穏な営業環境を失って初めて、近隣住民・お客・取引先等が経営資源である事に気づく。今後の経営に最大の糧になるであろう。