委任の範囲逸脱し違法・無効 資本金額等の計算方法―最高裁

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内国法人である被上告人が平成24年連結事業年度に外国子会社から資本剰余金と利益剰余金を原資とする剰余金の配当を受け、うち資本剰余金を原資とする部分は法人税法(改正前)24条1項3号所定の資本の払い戻しに、利益剰余金を原資とする部分は同法23条1項1号所定の剰余金の配当にそれぞれ該当するとして法人税の連結確定申告をした。

所轄税務署長が、配当の全額が資本の払い戻しに該当するとして更正処分。被上告人が、申告に係る申告額を超える部分の取り消しを求める事案で最高裁第一小法廷は、被上告人の請求を認容した原判決を結論において是認、上告を棄却した。原審と最高裁の判断の違いは1項3号の解釈に関わる。

最高裁は▽双方の剰余金を原資として行われた剰余金の配当は、その全体が3号に規定する資本の払い戻しに該当▽株式対応部分金額の計算方法について定める法人税法施行令(改正前)23条1項3号の規定のうち、資本の払い戻しがされた場合の直前払戻等対応資本金額等の計算方法を定める部分は、剰余金を原資とした剰余金の配当につき、減少資本剰余金額を超える直前払戻等対応資本金額等が算出される限度において法人税法の趣旨に適合するものではなく、同法の委任の範囲を逸脱した違法なもの―と説示した。

■参考:最高裁判所|益剰余金と資本剰余金の双方を原資として行われた剰余金の配当は法人税法の資本の払戻しに該当する。および法人税法施行令の規定のうち資本の払戻しがされた場合の当該払戻し直前の払戻等対応資本金額等の計算方法を定める部分の法適合性|

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=90094