居住用財産譲渡の特別控除特例 過少申告意図なく重加算なし

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3棟の建物の敷地の用に供されていた土地を更地にして譲渡し、居住用財産の譲渡所得の特別控除の特例を適用して行った確定申告に対し、所得税等の更正処分及び重加算税の賦課決定処分が下されたため、土地を共有していた請求人らはその取消しを求めた。

争点は、特例を適用できるのは土地の全部か一部か、及び、請求人らの行為は通則法上の賦課要件を満たすか否か。請求人らは平成27年3月まで3棟のうち1棟に居住していたが、各建物を解体して土地を譲渡する不動産売買契約を6月に締結。他の2棟は賃貸用に建設されたが、4つある居宅のうち3つは空き家で物置として使われていた。E、Gは27年分の所得税等について、分離長期譲渡所得の金額の計算上、同特例を土地の全部に適用して申告。審判所は措置法に基づき、居住の用に供していると認められる一の家屋に限り対象となると判断。各建物の課税床面積の計に占める母屋の課税床面積を特例適用割合として計算するのが合理的とした。

また、重加算税を課すには隠蔽又は仮装と評価すべき行為の存在を要するが、E、Gは単に「居住の用に供していた」の範囲を正しく理解していなかったと推察される。過少に申告する意図があったとは言えず、賦課決定処分の一部を違法とした。

■参考:国税不服審判所|当初から意図なしとして重加算税の賦課要件を満たさないとした事例(過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分・一部取消し・平成30年9月27日裁決)|

http://www.kfs.go.jp/service/MP/01/0605030200.html#a112_2