Weeklyコラム 悪い情報の捉え方

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日常生活の中では、自分にとって都合の良い情報(他人に知られたい)は中々伝わらないが、自分に都合の悪い情報(他人に知られたくない)は自然に伝わる。反対に、会社等の組織内においては、良い情報は社長や管理者の耳に詳しくかつ迅速に入って来る。しかし、悪い情報は集める努力をしないと中々入ってこないものだ。

例えば、好成績の企画や新商品開発等に関係した事を積極的に名乗る社員は、いくらでもいる。しかし、トラブルや失策に関係していたことを積極的に発言する社員は少ない。経営者が意思決定をする際は、経営者等が好感するような情報ばかり集まって、マイナス面の情報が隠されていたら、経営の判断を誤る事になる。

そこで、経営者等は、良い情報より悪い情報を漏らさず伝えて欲しいと言う。この発言は正しい。しかし、社員は素直に従うだろうか。経営者等に不快な情報を提供したり、意思決定に苦言を呈したりする社員は、敬遠され勝ちである。一般に、人は自分の立場が不利になる事はしないものだ。

経営者等が良い情報よりも悪い情報を優先的に収集する努力は、本当に価値がある。この努力の成果を上げる為には、経営者は悪い情報を伝える社員を大事にして、その情報の活用を実践で示す必要がある。