未処理欠損金の引き継ぎ可能 株主が個人の法人―国税局回答

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株主が個人である法人が適格合併を行った場合の未処理欠損金額の引き継ぎについて、吸収合併企業が名古屋国税局に事前照会したのに対し、同局が文書回答した。

合併するのは、親族関係にある甲、乙、丙、丁の4人が株主のA、B、Cの3社。ただし株式譲渡前の株主構成は、甲、乙、丙がB、C社の株主、丁がA社の100%株主。まずC社がB社を吸収合併(第一次合併)、同日にA社がC社を吸収合併する(第二次合併)。法人税法第57条第3項に規定する共同で事業を行うための適格合併には該当しない。第一次、第二次ともに、吸収合併会社が被吸収合併会社の未処理欠損金額を引き継ぐためには、当事者間で一定期間継続して支配関係が存在する必要がある。第一次には支配関係が存在することから、同局はC社はB社の未処理欠損金額を引き継げると回答。第二次についても、同局はみなし直接支配関係があるとした。

その上で、合併日の株主構成をみると、C・A社間には支配関係がないのではないかという疑問が生じるが、甲はA社の株主ではないものの、丁の親族(4親等血族)に該当するので「一の者」(すなわち株主)に含まれ、両者間に支配関係(直接支配関係)があると考えられるとし、A社はC社の未処理欠損金額を引き継げると回答した。

■参考:国税庁|株主が個人である法人が適格合併を行った場合の未処理欠損金額の引継ぎについて(支配関係の継続により引継制限の判定をする場合)|

https://www.nta.go.jp/nagoya/shiraberu/bunshokaito/hojin/171117/index.htm