Weeklyコラム 適中あり、偶中あり

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弓の上手な人が的に当てる事を「適中あり」、弓の上手でない人が予期せず的に当てる事を「偶中あり」と言うそうだ(貝原益軒著、石川謙校訂『養生訓・和俗童子訓』岩波文庫)。要は、適中を目指して鍛錬する事が大切で、偶中では的に外れる事も多く、大変危ういという事だ。

では、商売において適中する(希望する成果が得られる事)為にはどんな心掛けや行動が必要か。第1に、偶然や成り行きの幸いを始めから期待しない。立地条件、業界の現況と将来性、今後の問題点を予想して認識する。第2に、目的や目標を設定し(必ず文章化)、戦略や各種計画等の達成手段を明示する。第3に、商売は計画や心意気だけでは達成出来ず、やるべき日々の行動を確実に積む事である。日々の仕事が的に当てる訓練となる。

ところで、適中とはどれほどの確率で発生するか。何事も満点はない。相撲ならば9勝6敗、野球の打率ならば3割というところか。続けるうちに、関取として優勝したり、好打者として得点王になったりする。商売には必ず成功と失敗が混ざっている。どんなに努力しても失敗する場合もある。要するに、成功は素直に享受し、失敗は次の的を定める基礎である。