Ｘ社（東京都、生活雑貨小売業）の経営計画修正に関する事例である。令和元年１０月に毎年更新している中期計画（３年）を作成した。
それによると、生活雑貨のネット通販を翌年１０月まで準備の上、１１月から始めることにした。コロナ問題が発生した時、まだ具体的な準備（人員体制とネットシステム等）は全く出来ていなかった。そこで経営計画を見直す会議を実施したが、２月頃までは準備不足のまま立ち上げる事に反対者が多かった。
やがて営業規制（休業要請）の話に危機感が出て、早くネット通販を立ち上げる意見が優勢になり、当期中に始める事になった。直ちにネット通販に対応出来る人材を採用し、外部専門会社の支援を受けて５月から新規事業の出発をした。Ｘ社の３月から８月の成績は、従来部門の売上は前年比２０％下がった。しかし、ネット通販の売上が従来部門の減少分を半分以上補い、赤字計上を免れた。
さらに、今後の売上見通しが難しい中、従来部門の商品構成や営業時間等を変更したり、資金繰り計画を厳しく予想したりした。また、最初の計画を策定した際、ネット通販への参入は従来部門を補う程度に考えていたが、実施の結果は意外に貢献度が大きい事を実感した。５年計画で売上の半分をネット通販にしたいと考えている。
