公正処理基準に従うものでない 受領日の属す年度の益金減額

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破産した消費者金融会社クラヴィスの7~17年の各事業年度に支払いを受けた制限超過利息等(制限利率を超えて支払われた利息と遅延損害金)についての不当利得返還請求権に係る破産債権が破産手続きで確定。

破産管財人(被上告人)が、これに対応する各年度の益金の額を減額して計算すると、納付すべき法人税の額が過大となった。各年度の法人税につき国税通則法(改正前)23条2項1号および1項1号に基づく更正の請求をしたところ、更正をすべき理由がない旨の各通知処分を受けた。主位的には各処分の一部の取り消しを、予備的には制限超過利息等に対応する法人税相当額の一部についての不当利得返還等をそれぞれ求める事案で最高裁第一小法廷は原判決を破棄し、被上告人の控訴を棄却した。

原判決は、制限超過利息等を受領した日の属する年度に遡って益金の額を減額する計算をすることは公正処理基準に従った計算方法に合致するとし、主位的請求を認容。最高裁は、過払金返還請求権に係る破産債権が貸金業者の破産手続きにより確定した場合に、当該過払金の受領の日が属する年度の益金の額を減額する計算をすることは、法人税法22条4項所定の「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」に従ったものとはいえないと説示した。

■参考:最高裁判所|過払金返還請求権に係る破産債権が貸金業者の破産手続により確定した場合の取り扱い
(令和2年7月2日・第一小法廷・破棄自判)|

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=89541