原審の再審開始決定を取り消す 即時抗告も棄却―最高裁


最高裁第一小法廷は29年12月、陳述書等の新証拠が無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たるとして再審開始の決定をした原判断に、刑訴法435条6号の解釈適用を誤った違法があるとして原決定を取り消すとともに、即時抗告を棄却した。

本件は、会社の財産に対する滞納処分の執行を免れる目的で請求人(元警察官)が当該会社の実質経営者と友人と共謀して会社が経営する風俗営業5店舗の営業を友人に譲渡したかのように装って財産の隠蔽を企てたというもの。第1審で請求人は懲役1年、執行猶予3年の判決を受け控訴したが棄却。最高裁でも上告が棄却され、第1審判決が確定した。その後、新たに証拠を発見したとして再審を請求。原々審は棄却したが、即時抗告を受けた原審は原々決定を取り消し、再審を開始する旨決定した。

最高裁は▽経営者の新供述には重大な疑問がある▽新供述の信用性に関する原決定の判断にも合理性に疑問がある―などとした上で、新供述等の新証拠が請求人に対し無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たるとした原判断には刑訴法435条6号の解釈適用を誤った違法があるといわざるを得ず、その違法が決定に影響を及ぼすことは明らかであり、原決定を取り消さなければ著しく正義に反すると指摘した。

■参考:最高裁判所|再審請求棄却決定に対する即時抗告の決定に対する
特別抗告事件(平成29年12月25日・最高裁判所第一小法廷)

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87354