タグ別アーカイブ: 最高裁判所

遺産算定の基礎は積極財産 民法910条の解釈―最高裁

被相続人の遺産分割をめぐり嫡出子と非嫡出子が民法910条を基に係争している事案で最高裁第三小法廷は、被上告人(非嫡出子)に支払われるべき価額の算定の基礎となる遺産の価額は、被相続人の遺産のうち積極財産の価額とした原審の判断を是認、上告を棄却した。

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地位を承継した事実を知った時 再転相続で原審の判断を否認

いわゆる再転相続に関する民法916条の解釈の適否をめぐる事案で最高裁第二小法廷は原審の判断を否認、同条の規定は相続の承認または放棄をしないで死亡した者の相続人が、当該死亡した者が承認または放棄をしなかった相続における相続人としての地位を自己が承継した事実を知った時をいうと解釈すべきだとの判断を示した。 続きを読む

土地の現況等の考慮が不十分 原判決を破棄、差戻す―最高裁

三重県志摩市所在の2筆の土地に係る固定資産税の納税義務者である上告人が、各土地につき志摩市長により決定され土地課税台帳に登録された27年度の価格を不服として志摩市固定資産評価審査委員会に審査の申し出をしたところ、棄却する旨の決定を受けた。 続きを読む

法律上の利益有するといえず 被上告人の控訴棄却―最高裁

亡Bを養親、亡Cを養子とする養子縁組届に係る届書が22年10月、徳島県のa町長に提出された。亡Bは亡Cとその実姉の叔父の妻。被上告人は実姉の夫。上告補助参加人は亡Cの妻。 続きを読む

1審の上告人敗訴部分取り消す 原判決破棄―住民訴訟で最高裁

鳴門市が経営する競艇事業に関し、市が25年度に漁業協同組合である上告補助参加人らに対して公有水面使用協力費を支出したことが違法、無効だとして、市の住民である被上告人らが地方自治法242条の2第1項4号の規定に基づき上告人を相手に、当時の市公営企業管理者企業局長への損害賠償請求および参加人らに不当利得返還請求等を求める住民訴訟で最高裁第三小法廷は原判決を破棄し、第1審判決中、上告人敗訴部分を取り消し、前項の部分に関する請求をいずれも棄却した。 続きを読む

損害賠償算定に類推適用できる 金商法事件で上告棄却―最高裁

東京証券取引所に上場されていた被上告人の株式を募集等により取得した上告人らが、被上告人が提出した有価証券届出書に参照すべき旨を記載された半期報告書のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、それにより損害を被ったなどと主張して被上告人に対し、金融商品取引法23条の2により読み替えて適用される同法18条1項に基づく損害賠償等を求める事案で最高裁第一小法廷は上告を棄却した。 続きを読む

上告人敗訴部分を破棄、差戻す 時間外手当等の支払い―最高裁

上告人(薬局)に雇用され、薬剤師として勤務していた被上告人が上告人に対し、時間外・休日・深夜労働に対する賃金と付加金等の支払いを求める事案で最高裁第一小法廷は、原判決中、上告人敗訴部分を破棄、同部分を東京高裁に差し戻した。 続きを読む

原判決を棄却、高裁に差し戻す 個人情報漏えい事件―最高裁

被上告人が管理していた上告人の個人情報が過失により外部に漏えい。上告人が精神的苦痛を被ったと主張して被上告人に対し、不法行為に基づき慰謝料と遅延損害金の支払いを求める事案で最高裁第二小法廷は、上告人の請求を棄却した原判決を棄却、原審の判断には審理不尽の違法があるとして大阪高裁に差し戻した。 続きを読む

上告棄却、被告人の敗訴が確定 インサイダー取引規制―最高裁

職務上知り得た企業合併の公表前に妻名義で行った当該企業の株式購入が金融商品取引法違反(インサイダー取引規制)に当たるとして、第1審に続き第2審でも犯罪とされた被告人が控訴した事案で最高裁第一小法廷は上告を棄却した。 続きを読む

裁判外の和解で代理できない 認定司法書士―最高裁も棄却

司法書士法3条2項各号のいずれにも該当する司法書士(認定司法書士)に依頼した債務整理につき、認定司法書士が代理することができる範囲を超えて違法に裁判外の和解を行い、報酬を受領したなどとして、被上告人らが不法行為による損害賠償請求権に基づき上記報酬相当額の支払い等を求める事案で最高裁第一小法廷は、当該認定司法書士は、当該債務整理の対象となる個別の債権の価額が同法3条1項7号に規定する額を超える場合には、その債権に係る裁判外の和解について代理することができないと解するのが相当だとし、司法書士の上告を棄却した原審を是認した。 続きを読む