カテゴリー別アーカイブ: 税務

R5年度税制改正法人税(5) 株式交付制度の特例の見直し

株式会社が他の株式会社を子会社にするために、当該他の株式会社の株式を譲り受け、その対価として自社の株式を交付する、株式交付制度。株式交換と異なり100%子会社にする手法ではなく、買収会社株式を対価として被買収会社株式を買い取る手法であるため、組織再編税制の対象とはされず、株式交付子会社の株主における株式譲渡損益の繰延べに係る特例のみが導入されていた。今回は、この規定の一部に改正が入り課税強化されることとなった。 続きを読む

直近の重加算税取消事例を公表 一部相続株で―国税不服審判所

国税不服審判所は、隠ぺい、仮装の事実等を認めなかった直近のケースとして「不服を申し立てた請求人が相続財産の一部株式を申告しなかったことに関し重加算税の賦課決定処分を取り消した事例」(令和4年6月24日裁決)を公表した。 続きを読む

パーシャルスピンオフ ASBJが会計処理を検討へ

財務会計基準機構(FASF)の企業会計基準諮問会議(会計基準の検討テーマなどを審議する機関)は3月8日、経済産業省からの要望を踏まえ、パーシャルスピンオフの会計処理を企業会計基準委員会(ASBJ)の新規テーマとするよう提言した。 続きを読む

R5年度税制改正法人税(5) 試験研究費の対象範囲の見直し

オープンイノベーション型の対象範囲の追加については既報にある通り、○スタートアップ企業の対象範囲を拡大。認定要件に縛られない多様なファンドを呼び込み、幅広いスタートアップを対象にする。○企業が、博士号を保有する高度な研究人材、研究業務経験者を積極的に外部から雇用することを促すため、特別試験研究費の額に「新規高度研究業務従事者」に対する人件費を追加。〇共同研究・委託研究の相手方である特別研究機関等に、福島国際研究教育機構を追加。 続きを読む

収益不動産の消費税控除巡り 再販事業者が敗訴-最高裁

被上告人(納税者側)は、本件各課税期間において、事業として転売目的で、全部又は一部が住宅として賃貸されている建物合計344物件を購入。本件各課税期間の消費税等について、個別対応方式により、課税対応課税仕入れに区分されることを前提に、本件各課税仕入れに係る消費税額の全額を控除対象仕入税額として申告をした。 続きを読む

銀行送金をインボイス連動に 請求から決済をデジタル化

報道によると、全国銀行協会は、2023年春をめどに、デジタルインボイスの標準仕様に対応した送金規格をまとめ、情報処理量が多い送金システム「全銀EDIシステム(ZEDI)」を更新・活用する、としている。 続きを読む

消費税インボイスの負担軽減策 動画と資料公表―日商・財務省

日本商工会議所は、財務省の協力を得て令和5年度の税制改正で講じられる消費税インボイス制度の負担軽減策と電子帳簿等保存法における電子取引データ保存制度の緩和策等の2つについて、両制度の担当者が分かりやすく解説した動画とその説明資料を公表した。 続きを読む

グローバル・ミニマム課税導入 IFRS任意適用会社に影響も

グローバル・ミニマム課税の導入を踏まえ、国際会計基準審議会(IASB)は1月9日、IASB公開草案「国際的な税制改革―第2の柱モデルルール(IAS第12号「法人所得税」の修正案)」を公表している(3月10日まで意見募集)。公開草案では、IAS第12号の要求事項に対する一時的な例外規定として、法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関しては、企業は認識することを要しないこととする取扱いを定めている。 続きを読む

R5年度税制改正法人税(4) 研究開発税制の見直し・延長

研究開発投資のインセンティブ強化に向けた見直しは、中小企業技術基盤強化税制においては次のように行われ、適用期限が3年延長される。【控除率】[増減試験研究費割合>12%]12%+(増減試験研究費割合-12%)×0.375 [増減試験研究費割合≦12%]12%(一律) 【控除上限】控除税額の上限に、当期の法人税額の10%を上乗せする。 続きを読む

R5年度税制改正法人税(3) 研究開発税制拡充へ見直し

イノベーションの源泉である研究開発投資は「成長と分配の好循環」に極めて重要であるとの観点から、投資へのインセンティブが一層強化される。一般型の控除率カーブでは試験研究費の増加率に応じたメリットをさらに高める一方、控除率の下限は引き下げ、メリハリある見直しを行う。 続きを読む